2010年8月8日日曜日

ブラインドによるワインテイスティング講座  2010年8月

イベント ブラインドによるワインテイスティング講座
主催  Le Club de l'Esprit du Vin(ル・クラブ・ド・エスプリデュヴァン)
テーマ 距離感を掴む +持ち込み

まずはいつも通り、ブラインドでの勉強会
2種類で、どちらかがジュヴレ・シャンベルタンで、もう一方はモレ・サン・ドニ。



Domaine Arlaud Morey-Saint-Denis 2004(ドメーヌ・アルロー モレ・サン・ドニ)
ほんの少しくすみがあり、オレンジも入った色合い。少し沈み込んだ栗、こんもりしてもやっとした、それでいて中心がある中低域の香り。高い芳香もあるが、全体としてはほわっとした丸い香り。舌触りはさらさらで、ほんの少し粘度がある。柔らかくジーンと上に浮かんでいる。途中でやわらかい中心が抜けて周囲にドーナツ状に味わいの形が変化する。そのときの酸はキラキラとしている。もう少しすると低い丘のような印象の後、もったりした雲のように浮いている。酸は他の要素から常に微妙に遅れて強弱が現れる。最後にはしめった土っぽさが少し出てきた。

Jean & Jean-Louis Trapet Gevrey-Chambertin 2004(ジャン・ルイ・トラペ ジュヴレ・シャンベルタン)
色は前者と似ているが、それよりも少し透明感のあるルビー色。やさしく柔らかな甘味のある香り。高いトーンが主で、後半に緑の野菜、透き通った印象とすごく奥に甘味の香りがある。舌触りはサラサラで口内にやさしく当たる。きれいな酸がググーッとでてくる。舌には味がのらず、上あごに逆の山状になって酸が張り付く。後半にカチッとした骨格が出た後に酸がぐーっと伸びていく。干しブドウのような強い核がある。

香り、味わいともに前者がモレ・サン・ドニ、後者がジュヴレ・シャンベルタンと推測して正解。
後者もタイミングによっては輪郭が柔らかいときもあり、一側面だけではなく、迫ってくるときの味わいの構成や時間軸の変化、空間的な味わいの中心密度などで比較しないと間違えるかもしれない。




今回は、ここからすぐに宴会モード。料理の数々



Domaine Pinson Chablis Grand Cru Les Clos 2007 ※MDさん持ち込み
(ドメーヌ・パンソン シャブリ・グランクリュ)
緑が入った薄い色合い。香りにフルーツケーキ、メロン、緑の香り。舌触りに少し粘度がある。味わいはすごく高いトーン。シャープでピーンと張っている。

Louis Latour Meursault-Blang Premier Cru Chateau de Blagny 1996 ※Iさん持ち込み
(ルイ・ラトゥール ムルソー・ブラウニー 1er Cru)
濃いが緑が入った色合い。茶色系の香りの少しあとに、マスカットやライチの香りが出てくる。味わいは少し厚みがあり、舌触りは柔らか。


Dominio de Eguren Estratego Real ※平野さん持ち込み
(ドミニオ・デ・エグレン エストラテゴ レアル)
きれいな濃いめのルビー色。フルーティなキゥイやライムなどの緑の柑橘系の香り。明るい高いトーンで、レモンっぽさや黄色いバラの香りもある。味わいは濃くしっかりしていて、強い渋みと甘味が舌先に強く出る。沈んでグーンと伸びる。


・Philippe Pacalet Pommard 2003 ※MRさん持ち込み
(フィリップ・パカレ ポマール)
香りは柔らかく、フローラル。ハーブや柑橘系、小さいゆずのような香り。味わいは湿った草、泥っぽさがあり、渋みがガーンときて、中層にジーンと渋みが進む。奥の方に梅ジソの風味。


・Pieve Santa Restituta(GAJA) Brunello di Montalcino 2005 ※FMさん持ち込み
(ピエヴェ・サンタ・レスティトゥータ ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ)
透明感ある色合い。ちょっと土っぽさがある香り。柔らかい甘味で、後半に酸が苦みと伸びていく。


・Gérard Raphet Gevrey-Chambertin 1er Cru Lavaux-St-Jacques 2004 ※我が家
(ジェラール・ラフェ ラヴォー・サン・ジャック)
少しの冷涼さと温かみのある香りで、時間をおくとショコラが出てくる。味わいはグーンと伸びていく。グググーっと後半力強い。海ジソの風味もある。澄んでいるが丸く、ローズヒップ、小さいバラを思わせる戻り香。

自分は銘柄知っているので他の方の意見では、柔らかい酸が伸びる、状態がよい、ビールの風味、ヴォルネイなど。


たまたま、勉強会のトラペも2004のジュヴレ・シャンベルタンなので比較。
トラペは王道のジュヴレ・シャンベルタンで骨格がしっかりして、中心に核があり、味わいも濃いめ。一方、ラフェはジュヴレ・シャンベルタンにある風味はあるものの、骨格がほどけて、周囲が柔らかくとてもほわほわしている。勉強会の切り分けで村名を当てはめるとモレ・サン・ドニに近い。ラフェのモレ・サン・ドニはもっとほわほわしているので、生産者指定でないと当てるのは難しい。ピーンと張りつめたタイプや重厚な世界観を持つワインも素敵だが、ラフェのような癒されるワインはぽーっとして飲むにはとても好き。もっとランクが上になると、もっとぽわぽわして甘くなる。


Domaine de la Mordorée Chateauneuf-du-page 2000 ※SGさん持ち込み
(ドメーヌ・ド・ラ・モルドレ)
クリーミーな香り。青やエンジ色を思わせ、土っぽさもある香り。後半が澄んだ印象で、後半から余韻に舌の水分が抜かれたように乾いたところがある。


Domaine de la Bongran Jean Thevenet Macon Villages 2000 ※NGさん
(ドネーヌ・ド・ラ・ボングラン マコン・ヴィラージュ)
ブランデーのような濃い色合い。濃い香りで、ハーブ、生姜、杏子、スモモなど色々な要素が香る。
アルコールが高く、蜜の味わいだが、通常の蜂蜜ではない、とても上品な蜜の旨み。かなりおいしい。
シャルドネの貴腐の味わい。珍しいが同じ系統を飲んだことがあるので品種は正解できた。


Sula Late Harvest Chenin Blanc 2009 ※MRさんデザート
(スラ レイト・ハーベスト・シュナン・ブラン) 
柑橘系の香り。スーッとして旨みがあり、甘味が奥にある。ケルナーなどドイツ系品種を感じさせ、レモンや醤油の風味もある。どこか分からないが新世界の味わい。
正解はインドのシュナンブラン。少し東洋系のスパイシーなタイプも好きな人にはいいかもしれない。


Domaine Huet Vouvray Clos du Bourg Moelleux Premiere Trie 1996 ※平野さん持ち込み
(ドメーヌ・ユエ ヴーヴレー ル・モン モワループルミエール・トリ)
白胡椒系、深みのある濃く低い香り。蜜、旨みがあり、軽く、黄緑の草の湿った香り。ロワールでビオのアイスワイン


・ゴディバのアイス ※MDさん、FMさん持ち込み
さすがにチョコが濃厚でねっとりとした持続性が長い。

本日も沢山の料理とワインをおいしくいただきました。皆様、ご馳走様でした。申し合わせしていないのに食事、ワインともにバランスのよい配分で、比較するのもおもしろかった。こういう会では普段飲めないワインが色々と試せるのでとても楽しい。また、今回は料理がとても多く、かなりお腹一杯で勉強会の後、しばらく動けなかった。