2010年9月12日日曜日

ブラインドによるワインテイスティング講座  2010年9月

イベント ブラインドによるワインテイスティング講座
主催  Le Club de l'Esprit du Vin(ル・クラブ・ド・エスプリデュヴァン)
テーマ 距離感を掴む +持ち込み

今回は熱劣化を前半に、後半はいつも通りブラインドでの勉強会。
銘柄オープンな状態で、正常なコルディエ、50%熱劣化のルロワ、20%熱劣化のアンリ・ド・バーズレ。






Domaine Cordier pere et fils Bourgogne Blanc Jean de la Vigne 2009
(ドメーヌ・コルディエ ブルゴーニュ・ブラン ジャン・ド・ラ・ヴィーニュ)
緑の入った透明感のある色合い。少し照りも見える。香りは柑橘系、蜜、果実の蜜が鼻下にいて、サーっと
横へ張る感じは海の水平線を思わせる。時間がたつとモクレンの中域の華やかな香りが後半伸びる。
キラキラした酸が舌先に多めに、舌全体にきらめく。果実味が柑橘系の酸と共に塊となって舌奥へと進んで
いく。透明感あるミネラルがスーッとどこまでも伸びていき、伸びた後にふっと酸が顔を出す。

Domaine Leroy Chassagne Montrache Premier Cru 1982
(ドメーヌ・ルロワ シャサーニュ・モンラッシェ 1er Cru)
黄色、少しの赤と緑、テリが入った色合い。香りは栗、よどみがあり、もあっとした白い花、菩提樹など。
口に含むと少しもったりした後に酸がキラキラと煌く。ブショネっぽい風味もある。渋みがきてリキュール
っぽさがグーッと舌を抑える。ミネラルはあるが、どこにあるか分からない。

・Henri de Bahezre Puligny-Montrache 1986
(アンリ・ド・バーズレ ピュリニー・モンラッシェ)
ブランデーのような黄色や茶色などを含んだものすごい色だが透明感はある。香りはきのこ、トリュフ、
椎茸の出汁などキノコ系が主体で、黄色や茶色をイメージさせる香り。口に含むと舌を強い酸がピリピリと
刺激し、強いリキュールの風味がくる。最初にググっと力強く、その後にふっと力が抜けたように軽くなる。
舌中央以外は味がのらない。高いトーンも持ち、柔らかい球状の厚みもある。

ここからミネラル香を確かめるブランド。





Domaine des malandes Chablis 2006
(ドメーヌ・デ・マランド シャブリ)
薄い透明感ある色合い。柑橘系の香りが少し奥にいる。スワリングすると吟醸香、柑橘系が前面に出てくる
が、すぐに引っ込む。アイスのガリガリ君ソーダのようなツーンとしたラムネの要素も感じられる。
口に含むと、酸がピッとくるが、その後はもったりする。酸が中盤まで伸びてストンと落ち、舌先には味が
なくなる。酸のトーンは高いが味はシャブリっぽなく、一般的なシャルドネの白ワインっぽい。
残念ながら状態がイマイチでミネラル香は感じられない。ただし、一般のお店で販売しているレベル。

Domaine Lucien Crochet Vendange du 19 Octobre Sancerre 2002
(ドメーヌ・リュシアン・クロシェ)
緑の入った透明感ある色合い。甘さと、もあっとする花、ミネラル香、貴腐の香りがある。口に含むと甘口
で、酸が発ち、後半舌奥と喉奥にグッときて、舌中央と先には味がない。酸がキーンとくる。
酸が通ったグリーン系の味わいだが輪郭がぼやけていてるのでシュナンブランに一票を投じたが、正解は
ソーヴィニヨン・ブラン。Nさん正解。さすが。

Denis & Florence Dubourdieu Clos Floridene 2005
(ドゥニ・エ・フロランス・デュブルデュ クロ・フロリデーヌ・ブラン)
少し濃いめに、ほんの少し緑が入る色。青い小粒のミカンの皮の香りと、ピーンとする香り。味わいは一度
味が抜けた後、酸がキーンと発つ。口いっぱいに酸味が膨らむが、口内の表面には刺激がない。そのため、
酸が多いのに柔らかい印象を受ける。グレープフルーツやその皮に風味がある。

Chateau Jean-Marc Maugey Clos les Polies Bordeaux 2002
(シャトー・ジャン・マーク・モージー クロ・レ・ポリー・ボルドー)
濃い赤だが透明感ある色合い。ジーンという濃いリキュール系の香り。タンニンはほんの少しで、舌に触ら
ない。甘味と渋みが弱く、酸のトーンが高い。柔らかく、口内にも触らない。余韻にタンニンがシミジミと
出てくる。




Domaine Leroy Bourgogne 1999
(ドメーヌ・ルロワ ブルゴーニュ)
テリのある黄色。クサヤなど臭みのある香り。酸がピーンときた後、味、酸も薄い。後半から余韻は味が
ない。 状態が悪いことを再確認するためのSさん持込み品。

Henry Marionnet Le Batard de Marionnet(2008)
(アンリ マリオネ ル・バタール・ド・マリオネ)
にごりのある色合い。ビオ系の澄んだ香りで、花がまさにフローラルに広がり、芳香剤のよう。味わいも
澄んでいて、素直。後半に酸がくるが、やわらかい。Mさん持込み。さすがビオらしい。




本日も沢山飲ませていただきました。ご馳走様でした。
熱劣化の勉強は、もう2年ぶりぐらいでしょうか。案外飲めて、酸が空間に煌く感じや、ややゆったりした
厚みなども感じられ、状態がよければかなりおいしいだろうと想像できる。
余ったものをもらって、当日は飲めないので翌日飲んでみたら、さすがに両方とも飲めたものではなかった。