2012年1月21日土曜日

ブラインドによるワインテイスティング講座  2012年1月

主催 ワイン専門平野弥
テーマ ワインの品種

まず皆のシャルドネに対する香りや味の特徴や印象を出し合った。柑橘系、蜜、芳醇、酸味がある、透き通っている、酸がある。香りには大根おろし、トロピカルフルーツ、青リンゴ、洋ナシ、白桃、黄桃、ナッツ、オレンジフラワー、菩提樹など。このうち、シャルドネ特有の香りは洋ナシ、菩提樹。ナッツは樽起因。これを元にまず1種類目のブラインド。

  
Vine Cliff Winery Vine Cliff Chardonnay Los Carneros 2009 @U.S.Napa(5040)
(ヴァイン・クリフ・ワイナリー ヴァイン・クリフ シャルドネ ロス・カーネロス)
ややテリもある少しだけ濃い色合い。香りは蜜、雑巾、若草、人参などの野菜、洋ナシとラフランスなどで、中核があり苦さを伴い、線状に酸がスーッと伸びる。グレープフルーツの皮の苦さが先にくる。香りが集中していて、樽やスパイスが強めで石灰っぽさもある。口に含むと舌に少しトロミがあり、酸がピリピリとする。厚みがあり、その厚みのままパーっと平面に広がる。栗の風味が後味にあり、ボディはしっかりしているがスッキリした後味。後半に栗の渋皮の苦味が出るがやさしい甘味がそれを覆うので心地よい。ミネラルない。

・Cordier Pere et Fils Pouilly Fuisse Vieilles Vingne 2010 @France,Bourgogne(3675)
(コルディエ・ペール・エ・フィス プイィ・フュイッセ ヴィエイユ・ヴィーニュ)
前者と似ているが、より濃い色合い。香りも同じニュアンスだが平板状に少し広がりもやっとした香りの集まり方。厚みがある。味わいは透き通って透明感があり、やや薄めの味わいですっきりしている。酸は弱めで高いトーンの成分がないので、丸く、厚みがある印象。余韻が早めに消える。ミネラル弱い。

ともにシャルドネというのは分かる。かなり似た香りと味で、前者の香りの方がトーンが高く、後者がぼやけた印象を受けたのでクラス違いと判断した。正解は国違いでしかも前者はアメリカ。こんなにブルゴーニュに近いのはすごい。ミネラルはなかったのでそこから判断すれば分かる結果だったが状態によるものだと勘違いした。また、樽が入ると引き締まった印象になるらしく、前者にそのコメントが入っている。

2種類目
  
  
・Château Fuisse Pouilly Fuisse Vieilles Vingne 2009 @France,Bourgogne(5355)
(シャトー・ド・フュイッセ プイィ・フュイッセ ヴィエイユ・ヴィーニュ)
濃い目の色合いでテリもある。香りに蜜があり、グーンと力強く伸びていく。オレンジフラワーがあり、平面状に柑橘系の酸と甘いトロピカル系果実の香りがある。口に含むとサラサラだがトロミもある。細かい酸味が舌にピリピリしてすっきりした味わい。舌には味がのらず、上顎後方と喉でピリピリする。舌に味がのらないため、ミネラル感じない。

・Château Fuisse Pouilly Fuisse Les Brules 2009 @France,Bourgogne(4515)
(シャトー・ド・フュイッセ プイィ・フュイッセ・レ・ブリュレ)
少し濃い色合いで緑が少し入りテリもある。香りは樽の焼きが強く、栗の皮を焼いた香り。熟した蜜が中央にいて、中核がある。口に含むとサラサラだが重みがあり、周囲に柑橘系の酸味があり、喉でピリピリーっと口奥へ進んでいく。舌には味がのらず、口奥と喉奥で酸味が発つ。舌に味がのらないため、ミネラル感じない。

樽の効き具合が全く違う。後者は猛烈に効いており、もっと熟成させて馴染ませた方がおいしくなる味わい。正解はクラス違いで、前者V.V.は新樽はあまり使わず、後者のブリュレは新樽100%で作られている。

3種目
  
  

  
Château Sociando Mallet 2005 @France,Bordeaux,A.C.Haut-Medoc(9975)
(シャトー・ソシアンド・マレ)
濃い色合いで黒、紫、紅色が混じり、透明感あり、エッジは透明。香りは樽が強めで獣臭、スーっとする酸、グーっと力強い。くすんだトーン。口に含むとグーンと中低域の重みがある。後者と比べるとくすんでいて、渋味が強く、もさっとしている。ミネラルは果実に包まれてやわらかい。王道の味わい。

Vine Cliff Winery Cabernet Sauvignon Napa Valley 2007 @U.S.Napa(6300)
(ヴァイン・クリフ・ワイナリー ヴァイン・クリフ カベルネ・ソーヴィニョン ナパ・ヴァレー)
濃い色合いで紫と紅色が混じり、エッジが紅色。香りはマスカットベリーAのような甘い果実で明るいトーン。口に含むとフレッシュな果実が鼻を抜ける。さらさらで素直で、果実味が豊富だがすっきりしている。果実と酸味のバランスがいい。果実がダイレクトで酸味の伸びがある。ミネラルはない。

どちらが好みかという質問で参加者が半々に好みが分かれた。前者は王道の味わいだが、後者のフレッシュで素直な果実味の方が好み。

ここからオープン
  
Domaine Gérard Quivy Gevrey Chambertin 1er Cru Corbeaux 2005 @France,Bourgogne(7980)
(ジェラール・キヴィ ジュヴレ・シャンベルタン・プルミエ・クリュ・コルボー)
こちらはより透明感がある。ジュヴレ・シャンベルタンらしく骨格はあるが鉄分は熟成が進んでいるのでかなり少なくなっている。

ここから食事会
  
  
  
  

  
Domaine Lucie et Auguste Lignier Morey Saint Denis 1er cru les Chaffots 2004 @France,Bourgogne(10185)
(リュシー・エ・オーギュスト・リニエ モレ・サン・ドニ・プルミエ・クリュ・レ・シャフォ)
おいしいのを飲みたいという意見で追加となったブルゴーニュのピノ・ノワール。ピノ好きが多い。腐葉土の香りや味わいがはっきりして、如何にもモレ・サン・ドニらしい。2004年らしい土っぽさもある。やはりピノらしく根底は透明感があり、澄んでいる。

  
Domaine Jean Louis Trapet Gevrey Chambertin 1er Cru Clos Prieur 2004 @France,Bourgogne(9482)
これはさらに澄んでいる。ぶどう汁のような印象。そして平面状のエネルギーが腹ぐらいの高さから目の高さまで平面状態のままグーっと持ち上がってくる。平野さんが「視覚的に見えてる」と表現された通り、私には味や香り、聴覚に関するものだけでなく、物理や化学現象、数式などを見ても視覚的なイメージが現れる。ワインの場合もいいワインになるほど次元が高くなり、3次元空間に時間を加えた4次元から、さらに物体の材質や重さや表面状態、温度の伝わり方、エネルギーなどとして感じられることが多い。ちょっと変わってます。

デザートへ。
  
  
  
  
  
本日はKKさんがYuji Ajikiさんの安食ロールを持ってきてくれた。やはりおいしい。今回は試しにランチで利用している香家さんのマーラーカオを持ってきたが舌触りは粗め。溜まり醤油や紹興酒のようなニュアンスがあり、やはり中華系のお酒の方が合いそう。

本日のラインナップ。
  

本日もおいしいワイン、料理ありがとうございました。10人で9本なのでワインの本数としては適度な感じだが、食事が多くかなりお腹いっぱいになった。