2012年4月21日土曜日

ブラインドによるワインテイスティング講座  2012年4月

  
毎月恒例のワイン専門平野弥さん主催のワインブラインドテイスティング講座。先月はフランスに行ってたので参加できなかったので1ヶ月飛びの参加。

Borgo Antico Conegliano Valdobbiadene Prosecco Superiore Brut Millesimoto 2010(ボルゴ・アンティコ コネリアーノ・ヴァルドッビアデーネ・プロセッコ・スペリオーレ・ブリュット・ミレジマート)
勉強会前の待ち時間に泡を1つ試飲。軽く爽やかな味わいで1800-1900円の味わい。状態はいい。時間が経つとオレンジリキュールの味が出てくるので好みとしては冷やした状態で飲みたい感じ。1700円ぐらいで販売できるかも?だそうです。

第一弾のブラインド。今月はテーマを開示されない。口を滑らせてピノという単語が出たが、騙されることもあるので品種についても気は抜けない。
  
Domaine Jean Fournier Fixin Les Petits Crais 2008(ドメーヌ ジャン・フルニエ フィクサン・レ・プティ・クレ)
明るく透明感あるルビーに紫が少し入った色合い。香りはキャンディ、獣臭、黒く小さな核があり、スワリングすると全体は黒さを持った果実が少しもっさりしているがツーンと高いトーンもある。ズーンと少し訴えてくる力強さもある。味わいは酸味、果実味ともにあり、酸味の塊がズーンと奥へと進む。舌に味がのらず上顎に味が集中。柑橘系ではない高いトーンの果実、高いトーンのベリー系があり、ミネラルはあまり感じられず酸がキラキラしている。

Domaine Jean Fournier Gevrey-Chambertin 2008(ドメーヌ ジャン・フルニエ ジュヴレ・シャンベルタン)
明るく透明感あるルビーに黒さが少し入った色合い。香りはキャラメル、黒さを感じさせるものがあり、スワリングするとキャラメルを溶かした果実香、オレンジ、他の果物、野に咲く花、赤糖など要素が多い。味わいは酸味が強く、舌の中央にのり、ふわーんと上顎全体に膜が膨らむように酸味が広がり、そして上顎後方に味が集中していく。黒さ、苦味もあり、ミネラルが基底になっていて、グーンと引かれる少し深みもある。

フィクサンはシャキッとして素直でもブルゴーニュとしては単調、ジュヴレ・シャンベルタンはより要素が多く複雑で深みもある。Fixinの地域はKさんが見事正解、想像してたのとも合っていた。ジュヴレ・シャンベルタンは鉄分っぽさが少なくそれと分からず、モレ・サン・ドニでもなく、ヴォーヌ・ロマネでもなく、シャンボール、ニュイサン・ジョルジュとも異なり、強いてあげるなら生産者によってシャンボールと考えていたが違った。

第2弾のブラインド。
  
Domaine Nicolas Rossignol Volnay 1er Cru Ronceret 2005(ドメーヌ・ニコラ・ロシニョール ヴォルネイ・ロンスレ)
フルニエよりも色は濃いめ。香りはオレンジ、レモンの高いトーン、シャンパンのクリーミーな香りもあり、全体として明るく高いトーン。(少しのクローブ)。味わいは酸味が舌にのり、細かくピリピリとして苦味が出て、タンニンは多いが細かい。明るいトーンで舌の中央辺りからドーム状に味がほわんと広がる。そして、ゆっくりとほわんとしたボリュームが後頭部の方向へ進んでいく。

Domaine Nicolas Rossignol Pommard 1er Cru Les Chanlins 2005(ドメーヌ・ニコラ・ロシニョール ポマール・レ・シャラン)
前者よりもやや黒い色合い。落ち着きがある香りで高いトーンもある。要素が内包されている感じで獣臭が出てくる。少しするとグーンと訴えてくる力強さが出てきて、セメダインっぽさもある。冷涼な雰囲気。おしろいのような粉っぽさもある(ナツメグ)。味わいは酸味は多いが果実味に細かく包まれているので柔らかさを感じ、旨味が多い。前方でほわんと味わいが広がった後に喉奥方向へスムーズにゆっくりと酸味とミネラルが進んでいく。前者よりもタンニンが多く、酸味の量は前者と同じだが甘味と苦味の成分も多いので丸くバランスが取れている。

舌奥方向への味の進み方は、前者がクリーンな印象できれいに進み、後者は安定してゆっくりと進んでいく。全体の印象として前者は明るく平面的な広がりに厚みを加えたような感じで、後者は深みがあり丸く立体的なほわんとした球体の印象。ヒントは同一生産者の同一ヴィンテージ。どこか想像する前にオープンになってしまったが、正解はニコラ・ロシニョールでパワフルだった2005年がこんなにもこなれておいしくなっている。2009年に水平試飲したときのコメントはこちらこちら。特にヴォルネイは土っぽさもなく都会的なすっきりした印象で、ポマールはそれらしい要素が多く華やかさを持ちもう少し待つとさらに要素が出てきそう。

  

こちらはオープン。
  
Schloss Saarstein Serriger Schloss Saarsteiner Riesling Spatlese 2003(シュロス・ザールシュタイン ゼーリンガー・シュロス・ザールシュタイナー<リースリング>「スペトレーゼ」1999年シュロス・ザールシュタイン
香りは灯油に黒さが入る。スワリングすると明るいトーンで中央の高さで真っ直ぐに訴えてくる強さがある。味わいは酸味が瞬くようにピカピカして、花の蜜、酸味はあるが甘味の方が強く、さらに甘味の方が先行する。味わいの進み方が連続でなく、ほわん、ほわんと断続的に進んでいく。酸味の立ち上がりが遅い。やや単純

Schloss Saarstein Riesling Auslese Serriger Schloss Saarstein 1997 @Mosel-Saar-Ruwer(シュロス・ザールシュタイン リースリング・アウスレーゼ @モーゼル・ザール・ルーヴァー)
香りは灯油、要素は多いが沈んでいて出てこない。スワリングすると野菜、チンゲン菜、からし菜、マヨネーズなどが出てきて、グーンと下の方から強く訴えてくる力強さがある。味わいは酸味が瞬くようにピカピカしていて、酸味が豊富で花の蜜、マヨネーズ、小さい白や黄色の花の香りなど要素が多い。甘味が十分あり、それにバランスするだけの豊富な酸味がグーンと力強く伸びていく。酸味の立ち上がりが早い。複雑。

この2つは銘柄を最初からオープン。ドイツも2003年は猛暑で葡萄が焼けたそうで、甘味が主体なのはクラスではなく、ヴィンテージによるものっぽい。アウスレーゼは構成バランスがとてもよく、酸味が余韻まできれい。

  
  
  
  
食事の数々。金陵のアヒルや皮付き豚。北海道 ゴトウすんせいの豚レバーの燻製など。フランスで買ったソーテルヌ地域のブドウチョコは甘味にコクがある。

  本日のラインナップ。

本日もおいしいワイン、料理ありがとうございました。ブルゴーニュワインだったのでとても満足できる勉強会になった。

ワイン専門平野弥
横浜市都筑区荏田南町4212-1 045-915-6767 13:00-19:00 月火休