2012年5月13日日曜日

鱒の塩漬けとワインの会

  
先週の新規ワインのお試し会に引き続き、今週は鱒とワインを合わせてみるお試し会が開催された。

  
横浜北部で大変評判の良い「魚吉水産」さんから仕入れられた鱒の塩漬けを題材にしたワイン会。鱒は生で食べられるものだそう。今日はこの鱒と合わせてみるのが主旨なので最初から料理を並べる。

  
bakery 南」さんのサレ、メレンゲ、ココナッツ。このサレがとてもお気に入り。単品でもおいしく、ワインやビールのツマミに最適。

  
ドイツワインの会でも提供されておいしかった寺家の野路さん筍の子も準備された。パンとチーズ。

  
金陵」さんの焼豚、鶏。いつもながらとてもおいしい。

  
Furstlich Castellsches Domanenamt Silvaner 2010(旧カステル大公国管理局 シルバーナ)
マスカットの香り。味わいもマスカットの風味。中域のボリュームで白果実のトロッとした甘味があり酸味が活きている。鼻に抜ける風味がいい。
鱒と合わせるとワインの甘味で丸く収まる。

  
・Papa Provencal La Cuvée Provençale Cotes du Rhône 2010(パパ・プロヴァンサル ラ・キュヴェ・プロヴァンサル コート・デュ・ローヌ)
甘いベリーとフレッシュな明るい果実の香り。口に含むとスーッとする果実、旨味、その後に重みのある苦味と旨味がぐぐっとくる。
鱒とは中盤まで丸い果実の甘味で包み込んでいるが後半に生臭さが出る。甲殻類の味がグンと伸びる。なお、金陵の豚と合わせると丸みが出る。

 
竹の子ご飯とカブの和え物。混ぜご飯系は分量が適当だそうで同じものは再現できないそうです。


[写真撮り忘れ]
Jean Fournier Bourgogne Aligote Champ Forey V.V. 2010(ジャン・フルニエ ブルゴーニュ・アリゴテ シャン・フォレ ヴィエイユ・ヴィーニュ)
大人しい柑橘果実の香り。口に含むと柑橘果実の高いトーン、酸味が強すぎずに丸みもある。中盤には旨味も出てくる。エチケットが黒いスペシャルキュベでおいしい。アリゴテの枠を超える上品さだがFixinのような単調な雰囲気ぐらいまで。
鱒と問題ないがレモンを全くかけないと余韻に少しだけ生臭さが出る。焼豚や鶏、中華のタレとよく合う。なお、フランスのゼリー寄せハムであるジャンボン・ペルシエにはアリゴテを使うので、豚肉とアリゴテが合うということを指しているそうです。

  
Domaine de Bellevue Sauvignon Loire Valley Touraine 2010(ドメーヌ・ド・ベルヴュ ソーヴィニヨン)
香り弱い。味は華やかな風味、少しのマスカット。
鱒と合わせるとかなり生臭い。この組み合わせは全くダメ。

  
・Cordier Pere et Fils Pouilly Fuisse 2006(コルディエ・ペール・エ・フィス プイィ・フュイッセ)
濃く黄色が入った色合い。香りはパーマ液、奥に柑橘で黒い核がある。口に含むと旨味、栗の風味、ジーンと味わいが舌に入り込み、苦味が伸びる。
鱒にレモンを沢山かけて合わせるとそれなりに飲めるが、レモンが少しだと生臭い。

 
鱒がなくなってきたので、焼き鱒にして追加

  
Louis Barruol Les Terres du Sud 2010(ルイ・バリュオル テール・デュ・シュド・VdT・ブラン)
華やかな香り。口に含むと酸味がピリピリして果実の甘味がある。若草がパーと草原のように広がる。
鱒と合わせると中央の赤身はよいが、皮に近いところはすごく生臭い。青魚の風味、臭みがパーッと広がる。

  
Domaine d'Auvenay Bourgogne Aligote Sous Chatelet (ドーヴネ ブルゴーニュ・アリゴテ・スー・シャテレ)
ここまでにアリゴテだけがサーモンと合っていたので、ドーヴネのアリゴテなら合うだろうとIMさんが提供してくれた1本。
香りはパーマ液。その奥にすごく集中した香りがある。香りが一箇所に集中、凝縮し過ぎて馬小屋などの芳香があり、しばらくすると酸がパンと立つ。口に含むと旨味が凝縮したおいしさ。ふわんとした旨味。丸くて旨味が多い。アリゴテというよりもやはりドーヴネの味わい。
鱒と合わせても全く問題ない。ドーヴネの深みがあるので鱒を包み込む。

  
Kaoris(カオリズ)のマフィンとリンゴのお菓子。マフィンはバターが利いてバランスが取れ、リンゴは粒状のままコンフィチュールにしたようなタイプ。

  
Domaine Fabrice Gasnier Les Graves Chinon(ドメーヌ・ファブリス・ガスネ レ・グラーヴ・シノン)
舌に酸味と苦味、樽の風味があるカベルネフランで、鱒とは難しい。

  
Jean Fournier Marsannay Cuvee Saint Urbain 2009(ジャン・フルニエ マルサネ・キュヴェ・サン・チュルバン)
ワイン単体では澄んだ味わいでおいしい。時間と共に梅の風味が出てくる。
鱒ともOK。問題ない。

  
Egon Muller Scharzhof Riesling 2008(エゴン・ミュラー シャルツホフ)
ピリピリする感じの香り。落ち着きのあるライム、苦さもある香り。味はレモンやライムの酸味が強く、濃くのある甘味や旨味。グーっと主張する果実と旨味が広がる。
鱒と合わせるとワインの方が強く鱒を消し去る。

  
・Michel Huard Calvados Hors d'Age(ミシェル・ユアール カルヴァドス・オルタージュ)
鱒よりもカルヴァドスの方が強い。2つとも活きるがマリアージュのような感じではなく独立している。カルヴァドスはアルコールが強い。

  
Distilleria Gualco Le grappe di Susanna(ディスティリア・グアルコ. グアルコ蒸留所 グラッパ・ディ・スザンナ) @Itaria
紅茶、ガングロフのコンドリューっぽさがある。若草の香りと青さ、セメダインなどが香る。口に含むと強く、パっとアルコールが力強く膨らむ。旨味と甘味がある。鼻に抜ける紅茶のウバの風味、紅茶の枯れた風味、茶葉の甘味もあり、おいしい。鱒に勝ってしまう。

  
Egon Muller Scharzhofberger Kabinet 2007(エゴン・ミュラー シャルツホフベルガー・カビネット)
旨味とすっきりした酸味がある味わい。マヨネーズっぽい風味がある。鱒を果実の甘味で丸め込む。

 
・Pierre Jacques Druet Bourgueil Rose Val de Loire 2009(ピエール・ジャック・ドリュエ ブルグイユ・ロゼ)
ピノ・ノワールの香りとザクロの酸を感じさせる。味はピノの苦味があり、茶葉の風味。先に飲んだグラッパがグラスに混じっているかもしれない。

  
本日のラインナップ。

鱒の塩漬けとワインを色々と合わせてみた。ワインは今月前半に開催された「偉大なるドイツワインの会」と「新規ワインのお試し会」で試したもの+α。
結果としては鱒をワインで合わせるのはかなり難しい。品種でいうと本日のラインナップではアリゴテが一番合っている。それでも皮に近い部分やレモンが少ないと後半や余韻に生臭さが出て厳しい。リースリングは甘味でごまかしている感じで、ソーヴィニヨン・ブランは生臭さを強調してしまいダメだった。ピノ・ノワールは問題なかった。
鱒がワインとこれほど合わないとは意外。バターでソテーなどすれば何にでも合うと思うが生に近いと青魚っぽさが主張してしまうのだろうか。なかなかおもしろい体験だった。本日も沢山のワイン、食事ご馳走様でした。

ワイン専門平野弥
横浜市都筑区荏田南町4212-1 045-915-6767 13:00-19:00 月火休