2013年1月19日土曜日

ワインと家庭料理のマリアージュを探究する会 2013年1月

  
昨年末まで続いていた「ブラインドによるワインテイスティング講座」は終了し、今年は<食材と葡萄品種の相性を見る>をテーマに新ワイン会を企画された。今回は「ワインと家庭料理のマリアージュを探究する会」の1回目。

  
  
前半は、実験的に食材とワインを合わせて、後半はその食材から料理とワインを楽しむという趣向。食材は鶏肉(もも)、豚肉(ロース)、牛肉(ロース)、鯖の刺身、生姜、長ネギ、なめろう の7種類。これに品種別デイリーワイン+αの9本を合わせていくのでここまでの組み合わせで63組。

ワインは先週開催された「平野弥ワイン倶楽部 新着ワイン試飲会」で試したものとほぼ同じなのでワインコメントは省略。
Comtes de Lorgeril Les Terrasses Sauvignon Blanc Vin de Pays D'Oc 2011
(コント・ド・ロルジュリル レ・テラス・ソーヴィニヨン・ブラン ヴァン・ド・ペイドック)
Comtes de Lorgeril Les Terrasses Chardonnay Vin de Pays D'Oc 2011
(コント・ド・ロルジュリル レ・テラス・シャルドネ  ヴァン・ド・ペイドック)
Comtes de Lorgeril Les Terrasses Viognier Vin de Pays D'Oc 2011
(コント・ド・ロルジュリル レ・テラス・ヴィオニエ  ヴァン・ド・ペイドック)
Bioweingut Lorenz Riesling 2011
(ビオヴァイングット・ロレンツ リースリング)
Comtes de Lorgeril Les Terrasses Cabernet Sauvignon Vin de Pays D'Oc 2011
(コント・ド・ロルジュリル レ・テラス・カベルネ・ソーヴィニヨン ヴァン・ド・ペイドック)
Comtes de Lorgeril Les Terrasses Merlot Vin de Pays D'Oc 2011
(コント・ド・ロルジュリル レ・テラス・メルロー ヴァン・ド・ペイドック)
Comtes de Lorgeril Les Terrasses Syrah Vin de Pays D'Oc 2011
(コント・ド・ロルジュリル レ・テラス・シラー ヴァン・ド・ペイドック)
⑧Jean Fournier Marsannay Rouge Clos du Roy 2009(マルサネ・ルージュ クロ・デュ・ロワ)
⑨Jean Fournier Marsannay Rouge Les Longeroies 2009(マルサネ・ルージュ レ・ロンジェロワ)



組み合わせ結果 ※ワインはぶどう品種の略号で表記
ワイン鶏肉(もも)豚肉(ロース)牛肉(ロース)鯖の刺身生姜長ネギなめろう
①SB ○身は普通。皮OK ◎身は普通、脂身相性よい ○身は普通、脂もOK △背はOKで腹は少し生臭い ◎両方とも独立して引き立つ ○長ネギの清々しさが広がる ○アルコール感が強く出てなめろうを消す
②Ch ○△皮OK △身は普通で脂身が少し臭み出る ○普通 △×背はギリギリOKで腹は× ◎生姜が引き立つ ◎ネギが力強くなる ○ふんわりとした甘さが残る
③Vn △身は旨味出るが皮はイマイチ ○身は普通で脂もOK ○ヴィオニエが勝つ △背は生臭くなる。腹はOK ◎生姜の辛味がジンジンくる ◎ネギの風味が立つ ○ふんわりとした甘さが残る
④Ri ○△皮はリースリングの苦味を強調 △豚の臭みが少し出る。脂はOK △○普通。脂もOK △×背はギリギリで腹は臭み △生姜の茎っぽさが膨らむ △×エグミ出る ×変な旨味が出る
⑤CS △○普通。皮もOK △×カベルネのエグミ出てくる ○△普通 ××臭みダメ。腹は△ △辛味だけ強くなる △エグミ少し ×臭いがうまみは豊富
⑥M ○普通。皮もOK △○豚肉らしさ出る。脂身もOK ○普通 △×背はイマイチで腹は× △エグミある ○高いトーンの辛味と混沌とした低域 △変ではない
⑦Sy ×臭み出て皮は変な甘味が加わる △×身は普通で皮は微妙 ○OK。皮は普通 △腹はOK ○辛味がツーンとくる △少しエグミ ○低い次元で一致している
⑧PN ×鶏の臭み出る。皮はOK ○普通。脂OK ○普通。腹は△ ×かなり生臭い ○辛味強くなる ×△エグミ ×生臭さ強調
⑨PN △身は鶏の臭みが×。皮は香ばしくOK △少し臭み。脂はOK △ごま油?膨らむ。腹はOK △微妙 ◎生姜が活き旨味出る △○辛味強調 ○OK

⑤のカベルネと鯖は先週もダメダメで、⑥メルローと⑦シラーは先週鯖と○だったが今回は△なので鯖の皮部分や鮮度などが影響してそう。なお、食材とワインを合わせて、それぞれの要素が崩れなければ○、どちらか一方でも基より強調されて嫌味がなければ◎とした。鶏、豚、牛肉と鯖は身と皮・脂の部分で相性がかなり変わる。ほとんどの場合、身は淡白なので皮・脂がポイントになっている。

ここで後半のワインのために参加者の多数決で相性を決める。鶏肉(もも)には個人的には①ソーヴィニヨン・ブランか⑥メルローだったが②シャルドネが一番人気になった。豚肉(ロース)に対しては①ソーヴィニヨン・ブランが1票、④リースリングが1票、⑥メルローが3票、⑧ピノ・ノワール(クロ・デュ・ロワ)が1票、⑨ピノ・ノワール(ロンジェロワ)が1票とメルローが一番人気。この結果を基に後半のワイン選定と調理が決まる。

  
  
鶏肉のインヴォルティーニ と ミラノ風カツレツ

  
追加のワイン(シャルドネ2本、メルロー1本)
⑩Cordier Pere et Fils Bourgogne Blanc Jean De La Vigne 2010
(コルディエ・ペール・エ・フェス ブルゴーニュ・ブラン・ジャン・ド・ラ・ヴィーニュ)
⑪Cordier Pere et Fils Macon Aux Bois D'Allier 2010 2010
(コルディエ・ペール・エ・フェス マコン)
Château de Reignac Grand Vin de Reignac 2006 Bordeaux Superieur(シャトー・ド・レニャック グラン・ヴァン)

  
 
追加のサラダ、焼き鳥、クリームパスタ、鴨肉。鴨肉はレバーっぽい味わいでコクがあっておいしい。

後半の組み合わせ結果
ワイン鶏肉のインヴォルティーニミラノ風カツレツ
⑩コルディエ ジャン・ド・ラ・ヴィーニュ △最初は普通で脂のこってりが舌に残る ◎油がいい感じになる。少しコッテリする
⑪コルディエ マコン ×鶏の生っぽさが強調 ◎?
⑫レニャック ○普通 ○普通で少し豚の風味が強調

その他、クリームパスタと⑪マコンが調和していた。また、同じシャルドネでも②コント・ド・ロルジュリルよりも⑩コルディエは鯖、生姜、長ネギ、なめろうともに相性が悪い。違いはミネラルや果実味が豊富で樽も効いているところで、その強弱か要素のどちらかが影響しているのだろうか。

  

本日は新しい趣向で食材との組み合わせを試せておもしろかった。しかし、組み合わせが多過ぎてかなり大変。また、同一品種でもワインが持っている要素やバランスによって相性が変わると思うので今後の会で明らかになっていくのが楽しみ。

ワイン専門平野弥
横浜市都筑区荏田南町4212-1 045-915-6767 13:00-19:00 月火休