2013年3月16日土曜日
ワインと家庭料理のマリアージュを探究する会 2013年3月
今年から開催されている<食材と葡萄品種の相性を見る>をテーマにした「ワインと家庭料理のマリアージュを探究する会」も1回目、2回目に続き今回が3回目。
点数は前回と同じく5段階評価にして、ワインと食材が喧嘩しなければ平均値の3点とする。また、幅を持たせた場合、例えば4~5点としたときはその平均値の4.5点とした。さらに例えば3+や3-などのような表現をしたときには+/-を0.2点として、それぞれ3.2点、2.8点とした。○×という表現の場合は○を4、×を2として扱った。
ワインは毎回同じものなのでここでも省略。ワインコメントは「平野弥ワイン倶楽部 新着ワイン試飲会」で省略。食材も準備が進められながらスタート。
※実際には④は白でも甘口なのでシラーの後に試飲してますが、前回の順番と合わせるため④になってます。
①Comtes de Lorgeril Les Terrasses Sauvignon Blanc Vin de Pays D'Oc 2011
(コント・ド・ロルジュリル レ・テラス・ソーヴィニヨン・ブラン ヴァン・ド・ペイドック)
②Comtes de Lorgeril Les Terrasses Chardonnay Vin de Pays D'Oc 2011
(コント・ド・ロルジュリル レ・テラス・シャルドネ ヴァン・ド・ペイドック)
③Comtes de Lorgeril Les Terrasses Viognier Vin de Pays D'Oc 2011
(コント・ド・ロルジュリル レ・テラス・ヴィオニエ ヴァン・ド・ペイドック)
④Bioweingut Lorenz Riesling 2011
(ビオヴァイングット・ロレンツ リースリング)
⑤Comtes de Lorgeril Les Terrasses Cabernet Sauvignon Vin de Pays D'Oc 2011
(コント・ド・ロルジュリル レ・テラス・カベルネ・ソーヴィニヨン ヴァン・ド・ペイドック)
⑥Comtes de Lorgeril Les Terrasses Merlot Vin de Pays D'Oc 2011
(コント・ド・ロルジュリル レ・テラス・メルロー ヴァン・ド・ペイドック)
⑦Comtes de Lorgeril Les Terrasses Syrah Vin de Pays D'Oc 2011
(コント・ド・ロルジュリル レ・テラス・シラー ヴァン・ド・ペイドック)
以前と比べて、クリーミーさも纏ういい香りになった。
新牛蒡のフリットはポテトチップスのようで塩味も効いている。パリパリして香ばしく後半から牛蒡の風味が出てくる。VnやSyの苦味に対して、CSの黒い印象の苦味には好みが分かれていそう。
①SBは邪魔しない程度で4(後で自分のコメント読むと3)。平野さんは牛蒡の旨味を引き出し5、SKさんは3だが塩がなければ4、YMさんは牛蒡の風味が強くワインの香りが飛ぶ、ビール向き3
②Chはさらっとした後に牛蒡の風味が膨らみ4。平野さんはワインが少し苦くなり3
③VnはVnの苦味の後にフリットの風味がふわんと膨らみ5。平野さんは牛蒡の風味が強調され4。2人の評価ポイントが同じでした。YMさんはフレッシュに感じ舌先のピリッと感がフリットに合い4
④Riはリースリングが前半、後半が牛蒡風味で4。平野さんはリースリングの方が強く3。YMさんは合うので4
⑤CSの果実の苦味が合わせるとさらに低重心になりグーンと引き込み4。平野さんはそれぞれの旨味が壊れずに楽しめるので4、SKさんは新牛蒡の甘さを消してしまうので2。YMさんは合わない2
⑥Mは独立していて3。YMさんはワインが負けず合わせて飲めるので4
⑦Syは牛蒡の低重心が苦味と共にグッときてそこから風味がフワンと持ち上がり4。平野さんは牛蒡の苦味や土臭さが強調され3。YMさんは牛蒡の香りが通り強さがきっ抗する(点なし)
⑧PNブルはワインの暗い部分と牛蒡の暗いところが合わさり4。平野さんは苦味とピノの酸味が分離して3。
⑨PNジュヴシャンは食材と対等でうまい感じにバランスが取れて4。
⑩PNマルサネはワインの方が強い。ワイン単体でバランスがよく、合わせると少しバランスが崩れるがOK範囲3。
椎茸マリネはオリーブオイルが効いている。特に赤ワインとの評価が暴れている。私が一番評価に差があり、生っぽいエキスの感じ方で差が出ている。
①SBは邪魔せず後半にSBの苦味が出てくる4。SKさんは椎茸の甘さと合い4、YMさんはオリーブ漬けでなく醤油味の方が合うのでは?3
②Ch邪魔しない3。SKさんは椎茸の甘さと合い4
③Vnは椎茸の肉々しさが強調され、椎茸好きには好まれる組み合わせ4。平野さんはワインに椎茸の風味が負け3
④Riはリースリングが椎茸を包み込み抑えこむ。余韻に椎茸の旨味3.5。
⑤CSは合わさって葉っぱのような異なる風味になる2。平野さんは椎茸の風味とよく合い5。SKさんは合うが甘さを引き立てないので3
⑥Mは椎茸の旨味が強調される4。平野さんは椎茸の風味とよく合い5、YMさんは椎茸の香り味を消さず後味に椎茸が残り悪くない4
⑦Syは椎茸さを抑えこむが一体感が出る4。平野さんは椎茸の風味とよく合い5
⑧PNブルは少しだけ椎茸の生臭さが強調され、これが好きな人にはよいが、この要素は好みではないので2。平野さんは椎茸の旨味と酸味が合い4、SKさんは椎茸のマリネは何でも合うとの評で4
⑨PNジュヴシャンはワインが強く、後半に旨味が加わる4。
⑩PNマルサネは椎茸の生っぽさが膨らみ、椎茸だけの旨味が膨らみ3.5。
菜の花とソーセージのサラダ。これは白赤ともに、特に赤の評価が暴れまくっている。食材のどの部分と合わせたかによっても差が出ていると思う。
①SBは菜の花とチーズの苦味がアタックから出てくる3。SKさんは菜の花の苦味とは少し..で2、YMさんはチーズが合っていて4
②Chは苦味とキラッと光る酸味が加わる4。平野さんは菜の花と調和して5、SKさんは菜の花の苦味とは少し..で2
③Vnは苦味の2重奏、これはこれでおもしろい4。平野さんは調和して、より菜の花の旨味が強調され4、SKさんは酸味で菜の花の苦味が出て3
④Riは菜の花の苦味を抑え込み、いい具合でバランスを取る4。YMさんは喧嘩せず苦味を消さないので3.5
⑤CSは苦味が強くなり、パスタともに苦味が出る4。平野さんは菜の花の旨味が強調され調和する5、SKさんは菜の花の苦さと混ざり合わず2、YMさんは菜の花の苦味に負けず4
⑥Mとは中域のボリュームが伸びる4。YMさんはまずまずのマリアージュで3
⑦Syはシラーらしさ・癖がなくなり、何事もない3.5。
⑧PNブルはワインの旨味が膨らむ。ワインの酸味の刺々しさや苦味がなくバランスがいい5。平野さんは苦味が心地よい程度の強さでピノがきれいで4
⑨PNジュヴシャンは生臭さ出る?2.5。
⑩PNマルサネは菜の花の苦味が強調される3.5
おかひじきとホタルイカ和え物は、ホタルイカのワタがポイント。また、人によって漁場の生魚っぽさの感じ方に差があり評価も大きく差が開いた。同じピノ・ノワールでも大きく差があったのはおもしろい。
①SBはあっさりとして後半にホタルイカが主張する4。SKさんはワタが少し強くなり2、YMさんはホタルイカの味に負けてしまい3
②Chはややワタが生臭い2。平野さんはホタルイカの旨味が引き立ち4、SKさんはワタが少し強くなり2、YMさんは旨味が広がり割と合っていて4
③Vnは生魚の臭みが膨らむ。余韻は悪くない2。平野さんはホタルイカのワタの風味が強調され4、SKさんは酸味が強いのでワタと合わない3、YMさんはまぁまぁの相性3
④Riは生臭さが少し出てくる2。YMさんは臭みを引き出しちゃうが嫌いじゃないので4
⑤CSは生臭さを果実の甘味がフワンと包み込み、ギリギリでうまく調和する5。平野さんはホタルイカが少し生臭くなり3、YMさんは生臭さが消えるほどにはならず3
⑥Mは生臭さがすごく強調される。すごい1。平野さんはホタルイカが強く3
⑦Syは生臭さをギリギリで抑え込み、両方の旨味が出る4。SKさんはシラーの果実味に合う4、ちょっと臭みが出て3
⑧PNブルは生臭さがすごく強調される1。あまり生臭くなく旨味が調和する4。この要素に対する2人の嗜好が大きく異なるようです。YMさんはきっ抗していて3
⑨PNジュヴシャンとはいいバランス4。
⑩PNマルサネはホタルイカの旨味が膨らむ4
菜の花とむかごとベーコンの炒め物はマスタードの風味が強い。そして後半なので評価している人が少ない。
③Vnは菜の花の苦味とワインの酸味が合わさる。マヨネーズっぽさも出る4。
④Riはリースリングが強く3。
⑤CSは普通3。
⑥Mはメルローの後半の風味とむかごが合わさり4。
⑦Syとはむかごの豆の風味がやさしく膨らみ4。
⑧PNブルは苦味とベーコンの燻製香が膨らみ、好みによる3。
⑨PNジュヴシャンは桜餅の風味がある。好きな要素なので5。
⑩ベーコンの燻製香が強調され3
ここからはピノ・ノワールで食事をしながらお試し。これより前の食材でPNで評価しているのは再度合わせ直している。
⑧Jean Fournier Bourgogne Rouge 2011(ジャン・フルニエ ブルゴーニュ・ルージュ)
⑨Jean Fournier Gevery Chambertin 2010(ジャン・フルニエ ジュヴレ・シャンヴェルタン)
写真撮り忘れ
⑩Jean Fournier Marsannay Trois Terres VV 2010(ジャン・フルニエ マルサネ・トロワ・テール ヴィエイユ・ヴィーニュ)
これはおいしい。いいバランス。
菜の花とアサリのパスタは貝のエキスと塩味が効いている。
③Vnとは微妙なバランスで4。
④Riは花の風味が膨らみ4。
⑤CSは普通だがいい風味3.5。
⑥Mは普通に同居3。
⑦Syはシラーの良さが引き立ちいいバランス5。
⑧PNブルは旨味が膨らむ。アサリからフキのような茎っぽさが膨らむ4。
⑨PNジュヴシャンはワインの方が活き、貝の風味も膨らむ。貝臭さがギリギリで好み次第なので3.5~5。
⑩PNマルサネは無難にまとまり3.5
おかひじきと菜の花のパスタはホタルイカが入っている。
④Riは最初微妙な感じでスタートして、そこから好きな要素である桜餅の風味が膨らむ5。
⑤CSは風味がやさしく膨らみ4。
⑥Mは土にある根や実の風味が強調される4。
⑦Syは旨味がいい具合にバランス取れ4。
⑧PNブルは普通3。
⑨PNジュヴシャンはPNが強く勝っていて、グッと黒い要素の部分が強調される3。KJさんはこの組み合わせをニコちゃんマークも入れて「トレビアン!」と評価している。
⑩桜餅の風味が膨らみおいしい。好みの組み合わせ5
本日のラインナップは10本。白は全体的に無難だがヴィオニエだけは食材による差があるのはおもしろい。赤では万人向けな印象を受けるメルローが個性のあるカベルネ・ソーヴィニヨンやシラーに苦戦しているのが意外。今回は何名かが残したコメントも入れてみたが、同じ要素を感じ取っても好みで評価が分かれているところは興味深いところ。
ワイン専門平野弥
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