2013年4月28日日曜日

ワイン専門平野弥 渡仏報告会

  
江田駅から国道を通って歩いてみる。知らないと柚木交差点から曲がるタイミングが分かりにくい。竹林に沿った道をいくと到着。

  
会場はいつもの通り、平野弥さんのテラス。入口にはキャンドルで明かりが取られている。

  
本日は食事メニューはあるがワインリストはない状態で開始。定員は8から12名だったが人数は増えて無理して17名。

  
オードブルの盛り合わせ。リコッタと生ハムとパプリカ、きびなごのエスカベッシュ、豚と牛タンのテリーヌ

  
Antech Limoux Crémant de Limoux Cuvée Émotion
(アンティッシュ・リムー クレマン・ド・リムー キュヴェ・エモーション)
エチケットが光沢のあるピンクに紫や銀色も入った色合いなので落ち着きがあり、グラスに注いだワインと同じ色になっている。泡は大きめだが輝くピンクの液面からやさしい果実とミネラリーさに酸がのる香り。口に含むと泡が適度に弾け、鼻に果実のいい香りが抜ける。舌前方には味がのらず、舌奥に甘味が厚みを持ち、上顎に果実の酸味がふわんとくる。
ラングドック・ルーションのリムー地区で生産されるクレマン・ド・リムー。シャルドネ68%、シュナン20%、モーザック10%、ピノ・ノワール2%。輸入予定で価格は1800-2500円になるそうです。

  
・Domaine AMEZTiA Etxaldea Irouleguy AMEZTiA Rosé 2012
鮮やかなロゼ色。甘い香り。酸味がキュッキュッっとくる。甘さに苦味が加わる。温まると苦味が目立つ。このロゼは後で赤を混ぜるタイプ。試しにクロ・ド・タールの樽を4樽だけ利用したが結果がよいので次回はすべての樽に利用するそうです。タナ40%、カベルネ・フラン30%、カベルネ・ソーヴィニヨン30%

このワインを含めて3本の白、赤、ロゼは同じ生産者でフランスの南西地方に位置するイルレギー地区にあるドメーヌ。イルレギーというアペラシオン(A.O.C.)。Saint-Étienne-de-Baïgorry(サン・テティエンヌ・ド・バイゴリ)

  
・Domaine AMEZTiA Etxaldea Irouleguy EZTiA Blanc
黄色に少し緑が入る色合い。お菓子のラムネ、スーッとする香りとマスカットの甘い味わい。果実の酸味が上顎に沿って伸びてくる。葡萄はプティ・マンサン、グロ・マンサン、プティ・クールブ

  
・Domaine AMEZTiA Etxaldea Irouleguy Rouge 2011
クーっと凝縮した果実の力強さがあり、樽香がくる。味わいに苦味が強く出てくる。タナ90%、カベルネ・フラン10%

  
ぶりの軽いポワレ・和風ドレッシングソース

  
・Domaine Clos Salomon Cardin et Perrotto Montagny le Clou 2011(クロ・サロモン モンタニー・レ・クロ)
落ち着きのある白い花、菩提樹などの香り。ほわんとしたミント、ハーブが加わるいい香り。やさしくミネラルも香る。口に含むとバランスがよい果実味が舌にやさしくグワーンと舌の方に弧を描き、同じように上顎の方にも円弧を描いて口奥へと伸びていく。ミネラルも十分にあるが、ミネラルは口の前方にいて動かない。とても均整が取れてやさしく柔らかく、安心できる香りと味わいで飲むとほんわかする。おいしい。ブリと合わせると邪魔しない程度の組み合わせだった。

  
・Domaine Cordier Père et Fils Macon Aux Bois D'Allier 2011(コルディエ マコン)
ふわんと花の香りが広がり、グラスの奥から豊富なミネラルとショコラの甘い香りがあり、スワリングでミネラルとラムネ、草、ハーブ、タイムなどグリーンが香る。口に含むと甘味が舌にとろっとして、ゆっくりと舌と上顎の中心を口奥へと真っ直ぐに柑橘系果実の酸味が進んでいく。柔らかく、素直で樽の風味がほとんどない。
スタイルが年々変わり、2006年の樽が強く効いていたときから、現在は樽がほとんど効いてないので果実味が素直に出ていて果実そのものの甘味が残っている。ただ、クロ・サロモンのモンタニーがよかったので、その後に飲むと中核が抜けたり水っぽく感じてしまう。

  
・Domaine Clos Salomon Cardin et Perrotto Givry 1er Cru Clos Salomon 2011(クロ・サロモン ジヴリ・クロ・サロモン)
フレッシュなベリー、チェリーなどの赤果実が甘く香り、スワリングするとスミレや妖艶さも出る。さらに綿菓子も加わるいい香り。口に含むとフレッシュな日本のさくらんぼ、クランベリーがあり、舌にはやさしく旨味もあり、全体に柔らかい。後半にとても細かいタンニンがくるが嫌味は全くない。おいしい。

  
Domaine des Rouges Queues Maranges 2011(ルージュ・キュー マランジュ)
やさしい柔らかい果実、キュートでかわいらしくいい香りを放ち、黄色い花やキャンディも入る。口に含むとやさしく、旨味も柔らかいとてもいい風味。おいしい。チーズとの相性がとてもよく、和のテイストがある。
ビオロジックの生産者でワインはやはりやさしい香りや味わいになっていて果実の香りや味わいが自然で素直。ドメーヌ名にもなっている「Rouge-queue(赤い尾っぽ)」は日本名だとツグミ科の常鶲(ジョウビタキ)という鳥のようです。エチケットにはきれいな鳥が描かれていてヴィンテージによって絵も異なるので揃えたくなってしまう。現ヴィンテージのエチケットはホームページの「Nos Vins」で見ることができる。なお、Googleの画像検索をすると、狐が描かれている「フィリップ・ボールナール」のエチケットも結果に出てくるところがおもしろい。

  
Domaine Jean Fournier Fixin Les Petits Crais 2007(ジャン・フルニエ フィクサン・ルージュ・レ・プティ・クレ) マグナム
ミネラルと果実、ビオ系の甘い果実のいい香り。やさしくフレッシュな赤果実がジンジンと中核から香りが訴えてくる。口に含むと味も同じく柔らかくフレッシュな果実が溢れる。マグナムという点と熟成が進んだことによるものかとてもやさしい味わいになっている。

  
・鴨のポワレ・三種の柑橘のクリームソース
鴨らしい肉々しさとレバーのようなトロミや旨味がある。火の通り方が絶妙でソースがオレンジ系の適度な甘味と酸味、高いトーンもあり鴨と合っている。

  
・Domaine Robert Sirugue Vosne Romanée 1er Cru Petits Monts 2010(ロベール・シリュグ ヴォーヌ・ロマネ・レ・プティ・モン)
甘い香り。ほわんとした甘さ、ヴォーヌ・ロマネらしいほわんとした輪郭がないタイプで、口の手前から口奥上方向へとスゥっとミネラルがホップしながら訴えてくる。本格的。もう少しで妖艶さを纏いそう。旨味と梅、オレンジが少し加わる。ミネラルと酸味がきれいにバランスする。後半まで旨味とのバランスがよい。中盤から後半に1erにしては水っぽさを少しだけ感じるが、それにしてもおいしい。
リュットレゾネ(減農薬)の生産者。

  
Domaine Robert Sirugue Vosne Romanée 1er Cru Petits Monts 2010(ロベール・シリュグ ヴォーヌ・ロマネ・レ・プティ・モン) 2本目
ボトル違い。こちらは酸が強めでバラバラ感がある。グラスで時間をおくとバランスは取れてくる。酸味は1本目よりも強調されている。

  
・Claude Dugat Gevery Chambertin 2010(クロード・デュガ ジュヴレ・シャンベルタン)
いい香り。オレンジの落ち着いた高いトーン、甘いショコラ、ハーブ、梅、赤い花が香る。焦点がピシっと定まり、中心からうわんうわんと立体的な波を打つように訴えてくる。口に含むと梅ジソが柔らかくエレガントで舌にやさしく甘く、舌の中央から奥にふわんと強い香りが膨らみ、鼻腔に香りが集まる。鼻腔を中心に10cmぐらいの香りが膨らむ。
3月上旬と4月中旬に試飲しており、ポテンシャルは変わらないものの様々な表情を見せている。前2回は共に妖艶さが漂っていたが、今回は妖艶さはなく、その代わりにオレンジの高いトーンの香りが出てきた。

  
本日のラインナップ。本来の会はここで終了。しかし、2次会へ続く。

  
Domaine des Bois Lucas Touraine Sauvignon Blanc 2002(ボワ・ルキャ ソーヴィニヨン・ブラン) ★MRさん提供
白く透明感のない色合いで光にかざすととても細かい粒のようなものも見える。香りはショコラ、水蜜糖、アカシアと菩提樹のいい蜂蜜、凝集した蜜や蜜を溶かしたような感じもある。水蜜糖と果実、花の香りがバランスよく、葡萄の枝まで入れたときの若木の要素もある。口に含むと少し酢酸の風味があり、梅に蜜の風味が加わり、果実の酸味が舌の前方でグンっと下がった後にすんなりと口奥へと伸びていき、同時に上顎方向には山なりに口奥へとキューンっと伸びていく。枝の風味がいい具合に馴染んでいる。

  
Louis Carillon Saint-Aubin 1er Cru Les Pitangerets 2007(ルイ・カリヨン サントーバン・レ・ピタンジュレ 赤)
少し赤茶が入った色合い。甘さを持つ花の芳香とミネラル香が膨らむ。口に含むとグレープフルーツのいい香りが鼻腔に抜ける。ミネラルと酸味、スミレが鼻腔に向かって進み、それに伴い味わいがグーンと伸びやかにそしてシャープに口奥へと進んでいく。酸味がキューンと口奥やや上方に向かって伸びていく。

  
Egon Muller Scharzhofberger Kabinet 2003(エゴン・ミュラー シャルツホフベルガー・カビネット)-Mosel-Saar-Ruwer
きれいでシャープな酸味と甘味がバランス取れていて、果実の甘味がたっぷりあり、同じく果実の苦味もある。このボトルは苦味が線状になっている核がある。どこかシャープでかつ、森の茂みの雰囲気がある。

ここで2次会が終了の雰囲気になるが気が付くと電車なし。しかし、お腹が空いたという話になりパスタが作られた。豪快な量。

  
細麺しかないということで使われたパスタは正に素麺のような感じ。

  
・Cantina Valpantena Premium Appassimento Rosso Veronese 2009(カンティーナ・ヴァルパンテーナ プレミアム・アッパッシメント”・ロッソ・ヴェロネーゼ)
甘味がグンっと強くきて、酸味がキーンとくる。果実の苦味がかなり強めにくる。そして、それに負けない甘味がある。

  
Comtes de Lorgeril Les Terrasses Cabernet Sauvignon Vin de Pays D'Oc 2011(コント・ド・ロルジュリル レ・テラス・カベルネ・ソーヴィニヨン ヴァン・ド・ペイドック)
カベルネ・ソーヴィニヨンらしい青さ、グリーンが強めに香り、味はすっきりしてグリーンの風味がしっかりある。

  
・Azemar Veronique & Stephane Cahors Le Clos d'un Jour 2009(ル・クロ・ダン・ジュール カオール トラディション)
香りは弱め。味が凄く強い。舌にシワシワと渋味がくる。すごい強さ。

  
ショコラに合わせる。

本日も沢山のワインと料理、また楽しいお話ありがとうございました。結局、渡仏報告は3次会になってやっと話された。なんと終了は午前2時半ごろになりました・・

ワイン専門平野弥
横浜市都筑区荏田南町4212-1 045-915-6767 13:00-19:00 月火休