2013年7月20日土曜日

ワインと食事のマリアージュを探究する会(ワインとスパイス) 2013年7月

  
毎月恒例の「ワインと料理のマリアージュを探究する会」。今回はテーマではワインとスパイスの相性をみる。ワイン6種類と料理は4種類。平野さんを含めて参加者は5名。いつも通り、点数は前回と同じく5段階評価にして、ワインと食材が喧嘩しなければ平均値の3点、ワインまたは食材のどちらか一方のよい要素が強調されれば4点、どちらの要素もよければ5点と採点する。

  
グラスをワインの本数だけ並べてテイスティング開始。まずはワインのひと言テイスティングノート。

Bioweingut Lorenz Riesling 2011(ビオヴァイングット・ロレンツ リースリング)
 アタックは果実味が強くトロミも感じる。中盤以降に見えてくる高いトーンの酸味は強弱の変化がなくゆったりとしている。品種はリースリング(Ri)
②Jean Fournier Bourgogne Blanc S...?!? 2011((ジャン・フルニエ ブルゴーニュ・ブラン・クエスチョン)
 グリーン系の香りと風味。ミネラルが豊富で果実の酸味も多いのでシャープな印象を受ける。品種はソーヴィニヨン・ブラン(SB)。
③Cordier Pere et Fils Macon Aux Bois D'Allier 2011(コルディエ・ペール・エ・フェス マコン)
 アタックは①ほどではないが果実味が強く、樽の風味も効いていて酸味が高いトーンでいる。品種はシャルドネ(Ch)
④Comtes de Lorgeril Les Terrasses Cabernet Sauvignon Vin de Pays D'Oc 2011(コント・ド・ロルジュリル レ・テラス・カベルネ・ソーヴィニヨン ヴァン・ド・ペイドック)
 果実の甘さと花が融合したいい香り。乳酸の風味があり、味わいはスーッと流れ、酸味もずっと続く。品種はカベルネ・ソーヴィニヨン(CS)
⑤Chateau Coulonge rouge A.C.Bordeaux Eleve en Futs de Chene 2008(シャトー・クーロンジュ・樽熟成・赤)
 強めに果実の苦味がズーンと余韻まで長くある。品種はメルロー主体(M)
⑥Jean Fournier Marsannay Rouge Cuvee Saint Urbain 2011(ジャン・フルニエ マルサネ・ルージュ キュヴェ・サン・チュルバン)
 パーマ液の香りがあり還元的な状態。果実と酸味が低飛行するかのように地平線すれすれに伸びていく。品種はピノ・ノワール(PN)

ここからはマリアージュの研究。

横浜基点と平野さんは、食事側およびワイン側の両面から評価した。名前にWが付いているのはワインの変化として捉えた評価の値。他の3名の方は全体として捉えている。まとめると見難いのでグラフは分けた。

  
  
食材はチキン。スパイスにはカイエンペッパー、ターメリック、パプリカ、クミン。ケイジャン料理に近いスパイスの調合。
Ri①は料理としてみるとワインの果実味が強く2、ワインから見ると酸味が中盤でピンと立つ4。平野さんはチキンの甘さとリースリングの甘さがよく合うがスパイスは合い方ではない4。
SB②は可も不可もなく3、ワイン側からは酸味が小波のように立ち4。平野さんはSBの酸味が少しうく4
Ch③はあまり変化なく3、ワイン側では酸味がグーンの後半になるにしたがい伸びていき辛みが加わっていく4。平野さんはシャルドネの甘さとチキンの旨味が強調される5
CS④はワインの樽香と風味が全体を包み込み一部4だが全体では2。ワイン側からでは乳酸の風味が消え、酸味がうねりを持つ変化が出る4。平野さんはCSが少しタニックになり、スパイス、油が流れる4
M⑤はワインのよい苦味が強まり4、ワイン側では変化なく3。平野さんはメルローの渋味が強くなり3.5
PN⑥はチキンと独立しているがワインの酸味が引き立ち4、ワイン側ではチキン皮の生っぽさが加わり2。平野さんはワインが少しやせた印象になりチキンの風味が洗い流される3.5

  
  
ワカサギのスパイスはパプリカと山椒。ワカサギは表面が軽く揚がっている程度。
Ri①と合わせると脂の風味が前面に出てくる2。ワイン側から見ると中盤からワカサギのワタの二身がと旨味が混沌と加わる4。平野さんはワカサギの風味が消え3、ワイン側では香りや甘さをより強調し5
SB②とは独立していて3、ワイン側からはワインの活き活きしたところにさなかの旨味が加わり4。平野さんは料理からは3、ワイン側からはSBの香りが強くなり艶やかになる5
Ch③と合わせるとワカサギの旨味が広がり、ワインの酸味がキラキラとして一体感が出る5。ワイン側ではワインに魚の香ばしい苦味が加わり4。平野さんはワカサギの風味が少し残る3.5、ワイン側ではChのフルーティな風味が強調され5
CS④は最初独立しているが後半にワインのきれいな果実味が爽やかに広がり4、ワイン側では山椒などのスパイスが寄り添うように強調され4。平野さんはワカサギの味が消え3、ワイン側はMの動物的なニュアンスが強くなり3.5
M⑤はどちらも強調されないが一体感が出て4、ワイン側からはワインが薄く感じ、そこにスパイスが寄り添う3。平野さんはワカサギと喧嘩し2、ワイン側はタンニンが変に出て3
PN⑥は一体感あるがそれぞれの要素は強調されずワインの酸味が立つ4、ワイン側からはワインが押さえ込まれスパイスが引き立つ4。平野さんはワカサギと少し喧嘩し2.5、ワイン側は艶やかになり4

  
  
エビチリのケチャップは自家製で五香粉と豆板醤が使われている。五香粉は陳皮(チンピ)、桂皮(シナモン)、丁香(クローブ)、八角、ウイキョウが使われた香辛料。卵も入っていて一般的な中華のエビチリとは異なり、辛みは強めだがフレンチ寄りの上品な味わいになっている。
Ri①は辛味がぼわっと燃える感じで出て後から海老の旨味が出る。おもしろい5、ワイン側からはワインの甘味と苦味が来たすぐ後にエビチリの辛味が立つ4。平野さんは海老の旨味が強調され4、ワイン側はワインの甘さ、香りが強調され4
SB②は両者とも強調されないが一体感があり辛味が主張する4、ワイン側からはワインが大人しくなり辛みだけ寄り添う3.5。平野さんは海老とワインの風味が分離し2.5、ワイン側は少し甘く重たくなり3
Ch③は五香粉の風味が強調され4、ワイン側では果実味の後から辛味がグゥンっと立ち昇る3.5。平野さんは海老と辛みを洗い流し3、ワイン側はChの甘さ、品がよくなり4.5
CS④は樽の風味がぼわっとヒロありそれに五香粉が加わり香辛料の風味がそそり立ち・好みで2、ワイン側からは一体感あるが相乗効果なく3。平野さんは海老とワインが合い海老が甘くなり4、ワイン側はワインが甘くなり辛みとワインが喧嘩する4
M⑤は前半普通で後半にスパイスが広がり4、ワイン側ではググンっと強くきれいにワインの力強さが増しスパイスがかすかに後半に加わり5。平野さんはエビチリの風味とワインが馴染み4、ワイン側はMの甘さが強くなり4.5
PN⑥はピノの果実味と酸味が強調され4、ワイン側ではワインに海老の旨味が加わりスパイスは辛みだけ後半に加わり4。平野さんは海老とワインはあまり合わず3.5、ワイン側はPNのフルーティな甘さ、きれいな酸が強調される4.5

  
  
グリーンカレーに使われたカレーペーストには唐辛子、レモングラス、ガランガル、こぶみかんの葉、こちアンダー、クミン、ターメリックなどのスパイスが使われている。ガランガルとは生姜科のスパイスだそうです。
Ri①はタイカレーにワインの甘味が加わりこういう料理もあるという感じ4、ワイン側からみるとスパイスが上手く加わった4。平野さんは3、ワイン側はRiの甘さ、酸が強くなる3.5
SB②はワインの若々しさが広がり清々しくおいしい5、ワイン側では後半に酸味がのり4。平野さんは3、ワイン側はSBの清涼感と酸が強くなり3.5
Ch③は中間でワインの果実味が強調され4、ワイン側ではワインが主体で旨味が裏に加わり4。平野さんはココナッツミルクとよく4、ワイン側はChの甘さが包み込みイメージ4
CS④は樽とタンニンが強調され2、ワイン側からではとり皮の生臭さを強調し2。平野さんは風味が消える3、ワイン側はCSがやせる2
M⑤は旨味が出て一体感があり4、ワイン側ではスパイスの旨味が加わり4。平野さんは4、ワイン側はワインの風味のバランス甘さなどよい部分が強調される5
PN⑥は旨味にワインの酸味がバランスよく加わり5、ワイン側では香辛料が後半になるほど徐々に強くなり4。平野さんは食材とのバランスよく3.5、ワイン側はワインが少しやせる3.5

  
最後に食事会として追加で作られた料理。チンジャオロースのような味わい。写真右は台湾バナナを揚げたもので、芋のような食感とホクホク感。キビ砂糖版とシナモン版の2種類。
また、写真右はYKさんがお持ちいただいた平庭高原白樺ファミリーの自生・山椒。葉が丁度よい山椒の風味で、実はとても強烈で痺れのある麻が襲ってくる。山椒をRi①と合わせると山椒の辛みとワインの甘味でバランスが取れる。SB②とでは味わいが同一系統で変化なく、Ch③は山椒の青さが強調される。CS④は樽の風味が変に強調されてダメ、M⑤はワインの苦味が膨らみダメ、PN⑥はワインの変な風味が膨らみダメという赤ワインとの相性が難しいことが分かった。

ワインと食事の相性をワイン側および食事側の両面から見るという高度でマニアックな探究会になった。視点がどちらにあるかで感じ方が大きく異なる場合があるところがとても興味深くおもしろい。

ワイン専門平野弥
横浜市都筑区荏田南町4212-1 045-915-6767 13:00-19:00 月火休

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