2013年9月21日土曜日

ワインと食事のマリアージュを探究する会(麺とワイン) 2013年9月

  
雲への写り込む夕日がきれない空。
毎月恒例の「ワインと料理のマリアージュを探究する会」。今月のテーマは麺で、ワイン5種類と乾麺や手打ちパスタとの相性をみる。いつも通り5段階評価で、ワインと食材が喧嘩しなければ平均値の3点、ワインまたは食材のどちらか一方のよい要素が強調されれば4点、どちらの要素もよければ5点と採点する。参加者は7名。

  
ワイン単体のひと言テイスティングノート
①Bioweingut Lorenz Riesling 2011(ビオヴァイングット・ロレンツ リースリング)[Ri]
リンゴの風味が強いリースリング。
②Cordier Pere et Fils Macon Aux Bois D'Allier 2011(コルディエ・ペール・エ・フェス マコン)[Ch]
薄めの旨味が広がる
③Chateau Coulonge rouge A.C.Bordeaux Eleve en Futs de Chene 2008(シャトー・クーロンジュ・樽熟成・赤)[M]
甘い香りと苦み、乳酸系の味わい。
Casafrassi Chianti Classico 2005(カーザフラッシ  キアンティ・クラッシコ)[Sg]
明るさとグンっと鋭く沈み込む味わい。時間が経つと紫蘇風味が強い梅ジソ。土っぽさもある。
⑤Jean Fournier Gevrey-Chambertin 2010(ジャン・フルニエ ジュヴレ・シャンヴェルタン)[PN]
酸味が利いている。④とは異なり上品な梅ジソ。乾いた土や枯れ葉の風味がある。


  
スパゲッティ乾麺では、Riはワインを軸として旨味が出る。Chは一体感あり、湖の水辺周囲にフルーツや旨味が集まる5点。Mはワインの黒さが押さえられバランスよいところに収まる。Sgは変わらず黒さある。PNはワインがきれいに広がり味が膨らむ。ワインがきれい。
概ね安定感があり、KDさんは乾麺の完成度を絶賛。

  
ボスカイオーラのタリアッテレ卵入り手打ちパスタ。Riはワインが勝つ。Chは一体感があり旨味が細い縁で連なり4.5点。Mはパスタからワインに重さとハーブが加わり一体感もある4点。Sgは何事もなく一体感。PNは停滞するパスタをワインがグイーンと引張る。ワインが主体となり過ぎて3点。
他の方はPNの点数が高い。平野さんはフルーティーさが出て少し硬さが強調される4.5点、としている。

  
ボスカイオーラのピチ手打ちパスタは卵なし。パスタは繊細でモチモチした食感、薄めのトマト風味。Riはワインが鮮烈にスッと入ってくる。Chはワインが主体で広がりパスタがそれにのる。後半に旨味にワインの苦みもあり一体感もある4.5点。Mはワインが勝つ。Sgは土のいい風味が一体感を持ち、ふわーんと膨らむ。ワインが軽く心地よい5点。PNはワインが持つ枯れ葉っぽさが膨らむ。
ここでイタリアワインとパスタの相性がやっとよくなった。ChはKDさんも点数よいが平野さんは苦みが出て2点。

  
ムール貝のトマトソースでブルティーニ乾麺。Riはワインが主体でパスタは後半にワインの余韻につながって塩味とともに膨らむ4.5点。Chははじめから後半までパスタの味が主体。Mはどちらともない。Sgはワインが主体でパスタが寄り添う。PNはワインとパスタがともに海面で波立ち、お互いの波の高さによって要素が見え隠れする4点。平野さんはPNは苦みが強調される3点としている。
  
ムール貝だけ特だしにしてみると、Riはワインが勝ち↓。Chはムール貝の甘味にワインの酸味と旨味がのる↑。Mはワインの暗い部分が広がり少し↑。Sgは灯油のような風味が出て↓。PNはワインとムール貝がハーブの風味で一体感と相乗効果が出る5点↑。
平野さんはRi以外はすべてよい点数になり、Ri3.5点、Ch4.5点、M4点、Sg5点、PN4点。

探究する会はここで終了。以降は食事会。
  
写真のワインと違うが、本日④のキャンティとアヒージョが合う。味わいが膨らみ旨味が強い。

  
 
ジェノベーゼはキャンティだけ相性がよかった。

  
本日のラインナップ。7名で7本なのでとても健全なワイン会。本日のパスタはすべてトマトは主張しないつくりでパスタ生地と塩が主張したものとなっている。パスタの種類や舌触りなどによってこれだけ感じ方が大きく変わるのはおもしろい。

ワイン専門平野弥
横浜市都筑区荏田南町4212-1 045-915-6767 13:00-19:00 月火休