2014年2月2日日曜日

新規イタリアワインの試飲会 @平野弥

  
昨年12月に操業開始されたというイタリアワインの新しいインポーターであるクオレ・クール(Cuore Coeur)さんのイタリアワインの試飲会。平野弥とも親しく鋭いKMさんも関係されているというインポーターさんなので期待される。

  
  
 
食べ物は各自持ち寄り。ドライフルーツ、パテやコンビーフ、ポテトサラダ、生ハム、有機野菜、焼豚とアヒル、エリンギのささ身巻きなど、示し合わせてないのに重ならなくてバランスの取れた料理たち。

  
①Fornaro Soave Classico 2012(フォルナーロ ソアヴェ・クラシコ) (2205/希2600)
石灰系のスーッと張るチョークなど岩っぽい香り。舌にのらずトロミはあるが爽やかで果実の厚みもある。果実はグレープフルーツ、ライムの酸味と旨味。10/10全員一致でおいしいと評価されたワイン。

  
②Denis Montanar Friulano Borc Sandrigo 2012(デニス・モンタナール フリウラーノ ボルク・サンドリゴ) (2940/希3000)
もあんとした煙の奥から控えめな柑橘果実が香る。チョークが薄い層で平たくあり、おかしのラムネも一体となり混じる。また、ぎゅーっと集中するようなエグミや苦さのような香りもある。口に含むと舌にピリリとしてトロミあり、その後すんなりと流れるが苦味がじわりとにじみ出てくる。2/10おいしいと評価された。これだけパシフィック洋行さんの在庫ワイン。

  
③Reverdito Michele Langhe Nascetta 2012(レヴェルディト・ミケル ランゲ・ナシェッタ) (3255/希3300)
薄い色合い。バニラを使ったスイーツが香る。湖の水源に甘夏が加わる。ソーヴィニヨン・ブランの柑橘果皮の苦い香りもある。口に含むとピリリとし、後半になるほどボリュームが増す。そのボリュームの増し方はスムーズでふわんとやさしく自然な味わい。4/10おいしいと評価された。

  
バケットとフレッシュな紫蘇を使ったいわし料理。

  
④Barale Fratelli Langhe Arneis 2012(バラーレ フラテッリ ランゲ・アルネイス)(3780/希3800)
奥行きのある香り。軸がしっかりして探すと深さがある。スワリングすると香りは明るくパーッと広がり、おかしのラムネがいい感じに香る。口に含むと舌にピリリとし、深みもある香りが戻り香として出てくる。シャープなリンゴの香りに味わいにも高いトーンのリンゴ酸にリンゴの芯の部分の風味もある。中域の重さもある安定感と、③と同じくスムーズに後半に向けてボリュームが増し、その後ボリュームが増したところでパーンと全方向に弾ける。7/10おいしいと評価された。

  
⑤Destro Etna Bianco Isolanud 2012(デストロ エトナ・ビアンコ エトナ・ビアンコ “イゾラヌーダ”)(3885/希3900)
力強い芯からグーッと訴えてくる黄色いイメージのある香り。おしろいや皮に苦さの香りもある。口に含むと舌にピリピリとし、リンゴの酸味を含んだ風味がふぁーっと広がる。飲み込んだ後に味が舌中央の1cmぐらい浮いたところに大きさ3cmぐらいの集中した核がエネルギーとして集まり、そこから旨味を発している。このエネルギーから急激にホップするように香りがパーンと上昇し、味わいはスーっと伸びていく。コルディエのAOCブルゴーニュと同格で、日本に輸入されているイタリアワインでは今までにないレベル。9/10人おいしいと評価された。

  
⑥Failoni Rosso Piceno 2009(ファイロー ロッソ・ピチェーノ)(2625/希抜2600)
濃く、ピノ・ノワールを凝縮したようなメルローのような雰囲気もある香り。すごく濃く、暗めで魅惑的なイメージで、ぐっぐっっと押し付けてくるかのように訴えてくる。口に含むと舌では大人しく、乳酸系の味が先にあり、果実の酸味と苦味が混じりあい、活き活きとして薄いメルローっぽさに伸びがある。果実の苦味成分で酸味を押さえ込んだ感じなので酸味は突出せず内包され、その包まれた塊は口内中央に停滞し、それとは別に味わいは口奥へと流れていく。3/10人おいしいと評価。

  
⑦Reverdito Michele Verduno Pelaverga 2009(レヴェルディト・ミケル ヴェルドゥーノ・ぺラヴェルガ)(3255/希抜3300)
明るいルビー色。フレッシュな赤果実の香りにヒノキの香りもある。口に含むと舌にピリピリとして、すっきりしているがどっしりとした果皮の苦味もある。飲み込んだあとにもヒノキが戻り香として出てくる。塩味が少ないので料理に合いそうで、日本のトマトソースに通じる。6/10人おいしいと評価。

  
⑧Destro Etna Rosso Aspide 2007(デストロ エトナ・ロッソ アスパイデ)(3885/希抜3900)
透明感あるルビー色。マセラシオン・カルボニック(MC)のような青いバナナの香り。やわらかい獣臭もある。赤い色が強い鼻も香る。口に含むとタンニンが舌にのり、薄い旨味、特に果皮の旨味がある。薄いが苦味があり力強い。グンっとした力強さの後にツーンと線が細い味わいが伸びる。テクニカルに重みを加えたワインは強さと弱さなどの味わいは分離してしまうが、これは分離していない。4/10人おいしいと評価された。

  
⑨Reverdito Michele Barolo 2009(レヴェルディト・ミケル バローロ)(5880/希抜6000)
透明感ある色合いできれい。ピノ・ノワールのいいワインをかいでいるかのような華やかな香り。味わいはほわんとした果実味と3cmぐらいの球体状のエネルギーがあり、そのエネルギーは輪郭ははっきりせず、ほわんとしながら力強くすごく訴えてきてそれが余韻まで長く続く。ショコラの風味が強く、ガツンとしたカカオ風味もある。でもすっきりしている。一般流通しているイタリアワインとは比較できないがそれら価格帯で考えると8000円クラスの風格。10/10人全員一致でおいしいと評価された。

  
⑩Barale Fratelli Barolo 2009(バラーレ フラテッリ バローロ)(7350/希抜7800)
おとなしく奥行き、塩、深さもある香りでエビセンの要素もある。口に含むとじーんと訴えてくる感じはあるのに重みはなく、梅ジソのいい味わい。もっとギュ区政するとさらにピノ・ノワールっぽくなりそう。ショコラとカカオもあり、妖艶さもある。今は穏やかな日の浜辺でスーっと流れていくような波打ち際のように味わいが流れる。感覚では1万円クラス。10/10人全員一致でおいしいと評価された。

  
⑪Armilla Brunello di Montalcino 2007(アルミラ ブルネロ・ディ・モンタルチーノD.O.C.G.)(7770/希抜8000)
葉巻の複雑な甘さがあり、クリーミーないい香り。グーンと訴えてくる。口に含むと黒果実の深みのある味わいと果実の酸味が舌にピリリとくる。中実な果実味が口奥へとグーンっと伸びてくる。濃いのにすっきりした味わい。感覚では1.2万円クラス。

素晴らしいイタリアワインたちだった(②は除く)。このコンディションのイタリアワインを飲んだのは初めてで群を抜いている。このコンディションとクオリティだからだと思うが、ブルゴーニュとは異なる世界観というか立体感や流れのようなものを感じられた。これはおもしろい。ご馳走様でした。なお、まだこの試飲会は続きがあるので分けて書きます。

ワイン専門平野弥
横浜市都筑区荏田南町4212-1 045-915-6767 13:00-19:00 月火休