2014年3月16日日曜日

新着ワインの試飲会(ワインオリエンテッド、ラシーヌ) @平野弥

  
インポータ2社、ワインオリエンテッドさんのフランスワイン、ラシーヌさんのブルゴーニュワインを集めた試飲会。気候がよく、梅と桜が咲いている。

  
本日のワインは気軽なタイプなので、最初からおつまみや食事も準備。

  
まずラシーヌさん輸入のビオワイン。同じ生産者の3種類。

  
Vini Viti Vinci Ton air Mechant 2011 (ヴィニ・ヴィティ・ヴィンチ トン・エール・メシャン) @北部ブルゴーニュ
ビオらしいゆったりとした少しよどみのある香り。酸も柔らかくネクターのような香り。舌にはさらりとしてリンゴの風味、桃のネクターがふわんと香る。ビオらしい独特さもあるが澄んでいる。ぼんやりと口の中に味が滞在する。2625円で感覚は1900円。
なお、写真にあるようにラシーヌさんの裏エチケットは従来から丸みを帯びたものになっているが、インポータさん曰く丸みを帯びさせると味が変わるそうです・・。また、口元の包みは写真のように全て取ると味が変わるそうです。こちらは包みに触れた液体が瓶内に戻る可能性があることを考えると理解できる。

  
Vini Viti Vinci Le Molosmes 2011 (ヴィニ・ヴィティ・ヴィンチ ル・モロム) @北部ブルゴーニュ
フレッシュな色合い。おしとやかでかわいい甘さを持つ果実が香る。落ち着いたピノ・ノワールの香り。口に含むとピノのやわらかい風味が鼻腔に膨らみ、梅や少しの紫蘇の風味が素直。口の中にタンニンが少しじわじわとくる。口の中で全体がもったりとして味わいが滞在する。2940円だが感覚では2150円。

  
Vini Viti Vinci Et pis Neuneuil 2011 (ヴィニ・ヴィティ・ヴィンチ エ・ピ・ヌヌイユ) @北部ブルゴーニュ
これもピュア系の色合い。よどみある香りで、それに果実香が混じる。黒さに黄色い花が大人しくも主張する。舌に旨味があり、梅ジソの梅が多い味わいで、やさしく、やわらかい味わいが続く。ほわんとして舌に旨味が出て全体にぽわんとしている。また、香りにチーズのコンテがあり、味わいはシミジミしている。3360円で感覚では2250円から2380円。

これらビオ3本は参加者の賛否が大きく分かれ、ダメという人がほとんどだった。個人的には田舎っぽい素直さと純情さのピュアなところがビオらしい良さが出ていたと思う。ただ、価格が高めの設定なのが残念。

  
次にワインオリエンテッドさん輸入のワイン。ローヌの同じ生産者で4種類。

  
・Dix Vin Grignan-Les Adhemar Le Grand Bois 2011 (ディ・ヴァン グリニャン・レ・ザデマール レ・グラン・ボワ)
ルビーのような透明感と輝きのある色合い。素直、キュートで甘いイチゴミルク、チェリー、かわいくも華やかに香る。味わいは氷砂糖、黒糖のコク、とても甘く甘くいい感じ。舌にやさしく自然で、口にやさしく柔らかく、ピュアで純情な透明感。それでボディはある。ほわほわした旨味があり、ピュアで素直。口内の中央やや上方でジーンとエネルギーが持続している。1600円だが1800円の感覚。

  
・Dix Vin Cotes du Rhone La Rouviere 2009 (ディ・ヴァン コート・デュ・ローヌ ラ・ルヴィエール)
前者と同じ系統。香りの中央には力強さもあり、高いトーンもある。口内で舌にトロミがあり、重みがある。グーンと強さが主張し、黄色い風味が出てくる。タンニンが多めで舌には攻撃せず、上顎の前方でエネルギーがぼんやりと集まる。力強さと訴えてくるところと広がりもあるワイン。1890円だが感覚では2350円。これはコストパフォーマンスが高い。

  
・Dix Vin Cotes du Rhone Grande Reserve 2004 (ディ・ヴァン コート・デュ・ローヌ グラン・レゼルヴ)
熟成したオレンジの入った色合い。ショコラや花がいくつもあり、花は濃い色合いの花。ザラメなどの甘さもある。味わいはリカーのようなコクや旨味がある。舌にはのらず口内の中央にエネルギーがたまり、そこから干しブドウと酸味が膨らみ、酸味はピカッと白く光る。2520円で感覚では2850円。熟成した一体感を味わえる1本として安価。

  
・Dix Vin Cotes du Rhone L'Or du Rhone 2003 (ディ・ヴァン コート・デュ・ローヌ ロー・デュ・ローヌ)
熟成色だがルビーも入る。妖艶さも少し入った香り。コニャックの香りもあり、一体感と訴えてくる感じ。澄んだ干しブドウも香る。味わいは一体感があり、旨味がじんわりとゆっくり広がり、やわらかくもエネルギーのある力強さがグーンと上顎少し下からさらに上へ上昇する。力強く、2003年の甘さがある。3000円だが3500円から3600円の感覚。これはすごい。

  
・Camille Giroud Bourgogne Blanc 2011 (カミーユ・ジルー ブルゴーニュ・ブラン)
甘さのある白い花、酸が奥ゆかしく鋭く立ち、栗などもあり、ミネラルがパーンと張る香り。果実味がピュアで果実の旨さがあり、口に富がある。甘さが主体で酸味がその甘い丸さをまとってパーッと広がる。すごく旨味があり、味わいは薄めだがじんわりとくる。3780円だが感覚は3500円から3600円。輸入はBBRさん。

  
・Guy Breton Beaujolais Villages Marylou 2011 (ギィ・ブルトン ボジョレー・ヴィラージュ・マリルー)
ビオっぽい旨味ややわらかい果実の香り。グッとくる絵具やクレヨンのような濃い味わいの要素があり、やさしく、やわらかい細かなパーティクルが舌に染み渡る。2415円で感覚では2350円。ビオワインだそうです。これ以降はラシーヌさんの輸入ワイン。

  
・Lejeune Bourgogne Passetoutgrain 2012 (ルジューヌ ブルゴーニュ・パストゥグラン)
とても甘い綿菓子の香り。キャンディ香もあるが下品でなくいい香り。旨味があり、落ち着きのある味わい。舌に落ち着いてすっきりして、上顎で酸味と赤果実がすっきりする。マセラシオン・カルボニックらしい紫が入った色合いと綿菓子の甘い香り、じっとした落ち着きのある味わいがある。部分的に果帽を混ぜるコントロールをしているそうです。1995円で感覚では2380円。これもいい。しかし、時間が経つとすぐに香りと味わいが抜けてしまった。

  
・Vincent Dureuil Janthial Bourgogne Passetoutgrain 2011 (ヴァンサン・デュルイユ・ジャンティ ブルゴーニュ・パストゥグラン)
色は薄め。鉄分に甘さが加わる香り。フラワリーで赤い花が香り、甘さが加わる。香りには芯がある。グッと一瞬の強さがあり、花火の後半のように燃える味わい。2415円で感覚では1750円。

  
ここでお刺身も投入される。

  
・Maison Vincent Dureuil Bourgogne Rouge 2011 (メゾン・ヴァンサン・デュリュイユ ブルゴーニュ・ルージュ)
甘さのある香り。素直でやさしい香り。ジーンと酸、黒い強さがくる。暗さのある奥に奥まった風味や味わいがある。味はしっかりあるのに抜けている。コンディションが一般流通レベルの70%程度、残念。2940円であえて価格を付けると1800円?

  
・Camille Giroud Bourgogne Rouge 2011 (カミーユ・ジルー ブルゴーニュ・ルージュ)
甘くやわらかい香り。薄く、しっかりした味わいもあるが味わいが分離している。味は伸びずに飲んでから余韻までの中盤からもわもわとして味わいが止まる。コンディションが85%ぐらい、残念。3780円だがあえて価格をつけると1800円。

  
・Sylvain Pataille Marsannay Rouge 2011 (シルヴァン・バタイユ マルサネ・ルージュ)
甘く奥にいる香り。味がない。タンニンが荒れている。酸はしっかりしている。マルサネらしい穀物の雰囲気あるが、もったりして苦味がある。コンディション悪い、残念。3780円のワイン。

  
・Domaine des Croix Beaune 2011 (ドメーヌ・デ・クロワ ボーヌ)
甘さのある香り。大人しいが柑橘果実がいる。苦味ある。コンディション悪い、残念。5250円のワイン。

  
・David Moreau Santenay Rouge Cuvee S 2011 (ダヴィット・モロー サントネイ・ルージュ キュヴェ・エス)
高いトーンの華やかな香り。甘さのある香り。口に含むとジーンと弱めだが力が伝播する。苦味ある。コンディションがよければおいしそう、残念。4305円のワイン。

ここまでで準備されたワインリストは完了したが、後半が残念会になってしまったので追加。

  
・Jean-François Bachelet Puligny-Montrachet Vieilles Vignes 2011 (ジャンフランソワ・バシュレ ピュリニー・モンラッシェ ヴィエイユ・ヴィーニュ)
樽香がポンっとくる。甘さもある香り。スワリングでパーンとミネラルと酸が広がる。柑橘果実の酸がきれいに平面状になって広がる。口に含むと酸味がピリリとして旨味と果実の甘味が広がる。柑橘果実が持つ甘皮の苦味が出てくる。栗の旨味もある。7000-8000円で感覚では5500円から6500円。ワインオリエンテッドさんの輸入ワイン。

  
・Domaine Jean Fournier Marsannay Cuvee Saint-Urbain 2011(ジャン・フルニエ マルサネ・キュヴェ・サンチュルヴァン)
還元香がある。しかし、香水のようなスンとした香り。赤果実、クランベリー、黄色い花、菜の花などが香る。口に含むと自然に素直に味わいが広がる。じんわりと旨味が広がり、5cmぐらいの球体で輪郭はほわんとしている。3300円だが3500円の感覚。エスプリデュヴァンさんの輸入。やはり安心して飲める。

  
・Vaporetto Prosecco NV (ヴァポレット プロセッコ)
お菓子のラムネがスッとすんなりと香る。ぐわんと味わいが膨らんだ後、酸が綺麗に流れる。状態よく、おいしい。イタリアらしい泡。1860円で感覚では1850円だったのでぴったり。インポータはクオレ・クール(Cuore Coeur)さん。

  
最後にパスタ。

  
そしてデザートで締め。

  
  
本日も沢山飲ませていただきました。ご馳走様でした。

皆さんの締めコメント
ショックだった。ラシーヌさんをメインでやっているお店は大丈夫か(HN)。コンディションの大切さが分かった(KJ)。ヴィニ・ヴィティ・ヴィンチのビオは時間経つと飲め、ありという感じ。ディ・ヴァンのラ・ルヴィエールはおいしく、ルジューヌいい(HG)。ダメさが証明された(YD)。ラシーヌは買わない。ヴィニ・ヴィティ・ヴィンチのトン・エール・メシャンはおもしろかった(ON)。ビオの飲み方で感じ方が違う。ワインオリエンテッドはよかった(HT)。ビオはシチュエーションで飲めばヴィニ・ヴィティ・ヴィンチはいい(HTH)。

ヴィニ・ヴィティ・ヴィンチを除くとラシーヌさんは全滅に近く、状態がよく信頼していたのでショック。また購入できるインポータさんが1つ減ってしまった。ワインオリエンテッドさんが輸入しているディ・ヴァンのラ・ルヴィエール、ロー・デュ・ローヌ、ルジューヌはよかった。

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