2015年5月16日土曜日

ワイン専門平野弥 新ワイン教室 2015年5月


4月に続き、新教室として第2回になる新ワイン教室です。前回は土日実施されましたが5月だけは土曜日だけの開催になりました。今回は講義は15分ぐらいですぐに実践になりました。全体を捉える、絵画のように香りや味わいを鑑賞することがポイントでしょうか。



Comtes de Lorgeril Les Terrasses Chardonnay Vin de Pays D'Oc 2012
(コント・ド・ロルジュリル レ・テラス・シャルドネ  ヴァン・ド・ペイドック)
はじめにスワリングせずに香りを感じるところから開始する。この状態では清々しい香り。そしてスワリングする。そうすると熟れた果実、重さを持つ香りになる。これだけで印象が大きく変化するところがポイントになる。香りは奥に水源があり、スーっとする感じやトップにお菓子のラムネ香がある。そして立っているで前方の下の方から顔に向けてサーっと風が流れてくる感じがする。また香りのトーンはきれいなグラデーションになっていて、山形に立体的で山の中腹あたりに強さがある。香りのエレメントは洋ナシや洋ナシの蜜、水飴、柑橘の甘い香りがある。味わいの第一印象は口前方でぼわんとしている。スワリングしすぎの状態なので少し置いておくと、スーっときれいに味わいが伸びていくようになった。そして舌中央にグレープフルーツなどの皮の風味が残る。味わいの流れは全体として口前方に味わいがぼわんと球体としてあり、その球体の下方から口奥へと平面状に川の流れがある。その途中には舌中央あたりで重さを感じるような凹みが存在する。


Cordier Pere et Fils Macon Aux Bois d'Allier 2013
(コルディエ・ペール・エ・フェス マコン・オーボワ・ダリエ)
第一印象はグっと黒さのある暗黒の香りが奥にいる。スワリングすると硫黄、栗、甘い南国フルーツがぶわっと出てくる。冷涼さがあり、ミントや昆布締め、ザラメなどが一体感あるまとまりとなり、スーっと流れてきれい。前者のテラスと同じように上のほうへサーっと風がなびいて上方へと流れるが、その角度はテラスより鋭く、かつ上方に進むにしたがい細く集まっていく。その山形立体の中央には凝縮した核がある。味わいの第一印象は薄くいが、その裏から波動のように力強い蜜がほわん、ほわん、ほわんと奥へ進み、さらに酸味がきれいにスーっと伸びていく。時間が経つほどに味わいがのってくる。テラスよりも複雑で鼻に抜ける香りが心地よい。タンニンは気にならないが多め。このワインはミネラルが底面にはっきりとあり、柑橘の酸味が天井に張り付いているので空間が出てきる。おいしい。


Cordier Pere et Fils Saint Veran En Faux 2013
(コルディエ・ペール・エ・フェス サン・ヴィエラン・アン・フォー)
香りの第一印象は混沌としてひねた感じもあるがスワリングすると柑橘系が主体としてゆったりと香る。香りのトーンは低域に香りがハンバーグ形状で厚さ4cm、径で15cmぐらいあり、その中央から糸を紡ぐように真上へとスーっと引き上げられている。焼き芋やタイム、オレンジピール、オレンジフラワーに加えて、鉄っぽさやクローブがある。映像的には真上へと上昇していくイメージになる。味わいの第一印象は舌にのらずに鼻腔へグーっと香りの要素が集まり、高さ1cm、幅4cmの楕円状に核となり、そこから幅8cmぐらいまでほわん、ほわんと広がっていく。アタックが強く、より複雑で、鎧をまとったような印象を受ける。ミネラルが強く厚みを持って平面状に基底となってあり、その基底ごと味わいが上方へとグーっとあがっていく。ミネラルは鋼のようなイメージのもので、余韻が長い。おいしい。


Cordier Pere et Fils Pouilly Fuisse Les Vignes Blanches 2012
(コルディエ・ペール・エ・フェス プイィ・フュイッセ・レ・ヴィーニュ・ブランシュ)
最初から香りのバランスがいい。アイスクリームの冷涼感あるが、スワリングでグっと中核が出てきて、やや温かみが出る。炭やスイカズラ、水蜜桃、べっ甲飴などがあり、階調が中域から高域できれいで中域にしっかりした核がある。味わいは強くはないが中央に味わいが集中し、それでいて凝縮ではなく、柔らかで穏やか。味わいの流れは奥へと進むのではなく、核を中心として拡大していくように立体的に膨らんでいく。旨味がある。


Patrick Piuze Chablis Premier Cru Butteaux 2012
(パトリック・ビウズ シャブリ・プルミエ・クリュ・ビュトー)
蜜、南国フルーツ、瓜のいい香り。スワリングで冷涼さ、床全体から硬質だが金属でないチョークのようなものがすごく湧き上がってくる。訴えてくるところがすごい。熟したオレンジ、奥からどんどんと湧き上がってくる。白カビや発酵食品の要素もある。映像的には打ち上げ花火のようにスーっと上方高くに持ち上がり、上方で球体になって香りが集まっている。味わいはスッと飲めてすっと消える。香りから想像すると味わいは弱く、オレンジなどを水で薄めたような感じがする。まだ落ち着いてないから味わいがのっていないそうです。


Trapet Pere et Fils Beblenheim Riesling 2010 @Alsace
(トラペ ベブレンハイム リースリング)
香りの第一印象はライチ、オイル、タイヤ、ゴム、白油、冷涼さが下から上がってくる。スワリングでオレンジとその甘皮に加えてオレンジピールが少しあり、秋から冬にかけての冷涼な風を感じる。そして、リースリングに共通して感じる3本の風がたなびく。ミネラルや酸の層がかなり上方にいて、そこから冷涼さが湧き上がっている。映像的には香りが中央に3cmぐらいの円柱状に聳え立っている。味わいは甘味が最初にあり、上顎中央に味わいが集中する。口の前方はすっきりするが口内全体がほんのりと甘い。味わいの流れは酸味が出て、中盤に果実味が主張し、後半にべっ甲飴が残る。それら流れの縁にはピカッ、ピカッと酸味が光る。そしてミネラルが立体的にある。全体としてグリーン色のイメージがある。



ワイン教室はここで終了。ここからは食事会です。

 
シュタットシンケンのハム2種類とOBさん自家製チャーシュー、そしてサラダ

 
魚吉水産さんの刺身。いつもながら新鮮でワインと合わせることができる。右は本牧UEDA-YAさんのシュウマイ。

 
炊き込みご飯。

 
エビチリ、自家製のキノコ惣菜。

 
OGさんが持ち込んでくれたパール柑。この独特な弾ける食感がいい。右はサザコーヒーさんのコーヒー豆チョコのうち、期間限定のベネズエラ・ビター。フランスワインに通じる流れがある。今まで購入した中でコーヒー豆がとても小さく本領を発揮しきれてなかったのが残念。


勉強会では使わなかった2本。


Domaine Au Pied du Mont Chauve Chassagne Montrachet En Pimont 2011
(ドメーヌ・オー・ピエ・デュ・モンショーヴ シャサーニュ・モンラッシェ・アン・ピモン)


Domaine Au Pied du Mont Chauve Puligny Montrachet 1er Cru La Garenne 2011
(ドメーヌ・オー・ピエ・デュ・モンショーヴ ピュリニー・モンラッシェ・ラ・ガレンヌ)


ブラインド。すっきりしている中に抽出したような味わいがある。


Geantet Pansiot Bourgogne Rouse Pinot Fin(ヴァンサン・ジャンテ・パンショ ブルゴーニュ・ルージュ・ピノ・ファン)
何度か飲んでいるワインでした。スルスルと飲めるワイン。


Jean Fournier Marsannay Rouge "Pitte Grumotte" 2012
(ドメーヌ ジャン・フルニエ マルサネ・ルージュ プティ・グルモット)
全て飲み終えてしまい追加されたワイン。凝縮した中に塩や甲殻類がある味わい。近年のフルニエらしいワイン。

今回のワイン教室は4月からかなり教室としてレベルアップした。理解が進むような構成になっていて、最初はしっかりと進め、その後はスピード感があってよかった。ワインの質も高く、おいしかった。おいしいワイン、食事みなさまごちそうさまでした。

ワイン専門平野弥
横浜市都筑区荏田南町4212-1 045-915-6767 13:00-19:00 月火休