2015年6月13日土曜日

ワイン専門平野弥 ワイン教室 2015年6月


新しいワイン教室も今回で3回目。座学の時間は少なくなり、実際に飲みながらコメントを言っていくスタイルになった。香りについてはスワリング前後を確認するところがポイントです。はじめのラインナップは5月のワイン教室と同じになっている。


Comtes de Lorgeril Les Terrasses Chardonnay Vin de Pays D'Oc 2012
(コント・ド・ロルジュリル レ・テラス・シャルドネ  ヴァン・ド・ペイドック)
キュートで明るい香り。スワリングで下から風が立ち昇る。その風はシャープで、井戸に顔を覗き込んだときのように丸い平面全体から冷ややかさが沸きあがる。香りの階調はとても高く、その形はエッフェル塔のキュゥッと先端に向かって尖っていき、その上部1/4部分が香り成分の主体となっている。あくまでも東京タワーではなくてエッフェル塔の形。黄色や緑を思わせる香りで、やさしい果実、上品な蜜、花の蜜が主体となり、ライム、スィーティ、パッションフルーツなどの甘い柑橘果実が香る。口に含むと舌に果実のスープがほわほわと小さめのハンバーグ状にあり、少しだけ舌を弾くようにのっている。ふぁーっと広がりながら霧のようになって下流へと進んでいく。ここも高低差で流れていくのではなくて、風にあおられるか意思を持って進んでいく印象。ミネラルがやさしさを持っているがよくみると結構硬質。そのミネラルは下層にあり、その上にモヤがある。ミネラルの層はとても薄いが、味わいの後半になるほどどんどん強くなる。


Cordier Pere et Fils Macon Aux Bois d'Allier 2013
(コルディエ・ペール・エ・フェス マコン・オーボワ・ダリエ)
もったりマリモのように丸く香りが留まっているが、そこから1本の線状にスーっと香りが立ち上がる。スワリングで果実のひねた感じが出る。奥にじっと留まっている静止部分があり、それと別に真っ直ぐにグーっと強く後頭部上方に向かって香りがやってくる。硫黄があるものの階調は高く、香りは複雑。グレープフルーツ、スイーティなどの甘い香り、そして海藻、ゆり、熟したフルーツ、おしろい、これにミネラルの層が厚みを持っている。口に含むと粘度があり、ぴりぴりと刺激する。ゆったりと舌全体に丸く甘い。エッフェル塔のような形でその曲線に沿ってすぅっと上に味わいが持ち上がる。その感覚は頭の上を引張り上げられたかのような感じ。黄色や丸い印象の味わい、旨味は多く、平面状のミネラル全面から味わいが沸きあがるように上昇してくる。通常は川の流れのように奥へと進んでいくが、これは奥上方へと登りあがっていく。果実味が奥上方へ向かって収れんしていき、その上を酸が滑りあがり、それらからパラパラと果実の粒が点在して残る。


Cordier Pere et Fils Saint Veran En Faux 2013
(コルディエ・ペール・エ・フェス サン・ヴィエラン・アン・フォー)
丸く甘い果実、10cmぐらいのエクレア状の全表面から放射状に香りが広がる。スワリングでヒネタ青いグリーンな香り。涼しげな感じが2cmぐらいの束で沸きあがる。アイスに鼻を寄せた感じ。表面は温かいが奥の本質は冷ややかで、ミネラルが平面大きく、上方へ上昇する。ミネラルは強く、杏仁のニュアンスもある。口に含むと舌にのらないのに、すごくまとまった液体の塊になっていることがわかり、噛むような感覚。そしてスライムのような密度。舌の大きさでミネラルと果実の酸味があり、重心は丸い中央にある。その丸い球体からは味わいの要素が出ずに、その空間内に閉じ込められている。


Domaine Au Pied du Mont Chauve Bourgogne Chardonnay 2012
(ドメーヌ・オー・ピエ・デュ・モンショーヴ ブルゴーニュ・シャルドネ)
栗、黒さ、和風の雰囲気をもち、スワリングでグリーン、冷涼さ、ツーっと線状に小波を描くように自分の方へ訴えてくる。近くなるほど強くなる。もったりさもある。醤油を焼いた感じ、煎餅を焼いている感じの香り、海草、ミネラルはかなり奥にいる。バニラ、温度があがるとマヨネーズっぽい香りも出てくる。口に含むと噛むような感覚で、味わいが口に残らず鼻に黒や茶の香りが集中する。すっきりした味わいで舌に、口内にほわんと果実味がある。中高域から高域へと味わいがスーっと移る。サン・トーバンの格落ち品だそうです。


Domaine Au Pied du Mont Chauve Saint Aubin 1er Cru Le Charmois 2011
(ドメーヌ・オー・ピエ・デュ・モンショーヴ サン・トーバン ル・シャルモワ)
シャープ、鋭さのある香り。肉の旨味を感じさせる香りの要素がある。杏仁、ナッツの少し炒った香り。味わいはすごくトーンが高い。上澄みだけをすくい取って、上方に重心があり、そこに味わいが集まる。味わいも香りと同様にシャープで鋭い。そして、精細さがあり、消毒、シップ、時間をおくとたまり醤油の香りが出る。1つ前のACブルも単体で飲むとおいしいが、さすがに格落ちと本当のサン・トーバンの差がはっきりとある。


Domaines Schlumberger Grand Cru Kessler Riesling 2009
(ドメーヌ・シュルンバジェ ケスラー・リースリング)
奥にオイルが冷涼に安定したおり、そこからやや遅い速度でシャープさが立ち昇る。スワリングでゴムが出てくる。要素はゴムが最初にきて、鼻の要素が強い状態。南国フルーツが顔面の10cm前に静止している。オイリー、塩分、杏仁、それらが水平方向に波を起こさずに形を崩さず並行に強く訴えてくる。口に含むと舌に軽く、奥、中高域に果実が丸くあり、そこから果実の酸味や果実味が2cmぐらいの塊で訴えてくる。前方の奥にある無の空間からこちらに香りの要素と同じく波を起こさずに水平に味わいがやってくる。

[写真撮り忘れ]
J. L. Chave Selection Saint Joseph Circa 2013
(ジャン・ルイ・シャーヴ・セレクション サン・ジョセフ シルカ)
もやっとさから青梗菜などの野菜が出てくる。スワリングでヒネタ感じ、アイスの冷たさが出る。トーンは中域の香り。味わいは単調ですっきり、後になるほどぐーっと黒く、強くなる。苦味がある。イメージはきれいな光沢ある黒、力強さが特徴。



J. L. Chave Selection Hermitage Blanc Blanche 2011
(ジャン・ルイ・シャーヴ・セレクション エルミタージュ・ブラン ブランシュ)
甘い香り、どんぐりが香る。トーンは中域で、石灰、シップ、スーッと下から香りが沸きあがる。味わいは単調ですっと上方に軽い感じである。印象は軽やか。


Château des Tours Côtes-du-Rhône Blanc 2011
(シャトー・デ・トゥール コート・デュ・ローヌ・ブラン)
いい香り、いくつもの花の蜜の香り。スワリングで生クリームやミルクの香りが出てくる。冷涼さ、おしろいがもわんもわんとしている。トーンは中域で時間が経つと華やかさが出てくる。新鮮なはちみつを感じさせ、プーさんを想像させる。口に含むと重く、どっしりし、苦味、単調だが3つの要素が入り混じる。リースリングのような重さで強さを持つ。印象は重さ、そしてマットな黒さ。

 
金陵さんの皮付き豚、アヒル

 

 
小型のパン

 
チャーシューや焼豚

 
ハム類と野菜

 
漬物とパン

 
山東の水餃子、ひじきご飯

 
ハム類と野菜の炒め物


Château des Tours Côtes-du-Rhône 2011
(シャトー・デ・トゥール コート・デュ・ローヌ)
キュートな赤果実、曇があり、霞がかかっている。


J. L. Chave Selection Crozes-Hermitage Rouge Silene 2013
(ジャン・ルイ・シャーヴ・セレクション クローズ・エルミタージュ・シレーヌ)
赤果実が集中していてまろやか。薄いが濃いタイプ。やわらかく、凝縮しているのに軽やか、澄んでいる。黄色く濃い絵具、暗さ、冷涼、おとなしい、奥にそれら要素がいる。


J. L. Chave Selection Saint Joseph Olfeus 2012
(ジャン・ルイ・シャーヴ・セレクション サン・ジョセフ・ルージュ・オフル)
おとなしく暗っぽい香り。甘さもあり、草のグリーン、スワリングで強さ、黒さ、スーッとする香りが出てくる。味わいは果実の酸味が多く、強く、中心から酸味が逃げて出てくるように湧き出てくる。


京都西陣 OAHU オアフロール・期間限定コーヒー


Jean Fournier Bourgogne Rouge Les Chapitre V.V. 2012
(ドメーヌ ジャン・フルニエ ブルゴーニュ・ルージュ レ・シャピトル ヴィエイユ・ヴィーニュ)
澄んでいる。硫黄、テクニカルさを感じる。


Jean Fournier Cote de Nuits Villages "Les Croix Violettes Vieilles Vignes" 2012
(ドメーヌ ジャン・フルニエ コート・ド・ニュイ・ヴィラージュ レ・クロワ・ヴィオレット ヴィエイユ・ヴィーニュ)
すっぱめ。今は抜けている感じ。しかし、酸がキリリと伸びる。


Domaine Arlaud Morey-Saint-Denis 2011
(ドメーヌ・アルロー モレ・サン・ドニ)
ピュア、和三盆の甘さ、和風な甘さ、ほかほかとした甘さがあり、これがアルローらしい特徴。香りがキュッと閉まる。下からミネラルがキューッと湧き上がる。ミネラル強いが交じり合って3cmぐらいの円柱状にギュッと集まって迫ってくる。30cmぐらいの平面からミネラルが沸きあがる。洗濯物の香り、杏仁、出汁の旨味、一番ダシ、少し干しぶどう、味わいにキュートな赤果実、青のりと冷涼さがある。





本日も15本と沢山飲ませていただきました。食事もみなさまご馳走様でした。おいしいワインだとやはり楽しく、勉強になります。